【観光業界リーダー年頭所感】名鉄観光サービス株式会社　代表取締役社長　岩切道郎 氏

新春を迎え、謹んで新年のごあいさつを申しあげます。旧年中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申しあげます。

昨年は、自然災害の脅威や地政学的な不安定感が私たちの生活に影を落とす、波乱に満ちた一年となりました。元日の能登半島地震は、新年の始まりに大きな衝撃を与え、改めて自然の脅威を痛感させられる出来事でした。その後も各地で地震が頻発し、夏には「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、多くの人々が不安を抱える日々が続きました。また、記録的な猛暑に見舞われた地域も多く、気候変動の影響が私たちの生活に及ぼす深刻さを改めて認識させられました。世界に目を向けると、依然として続く戦乱や各地での紛争など、地政学的な緊張は高まるばかりであり、先行き不透明な状況が続いています。

こうした困難な状況下においても、人々の旅への渇望は衰えることなく、ツーリズムは心の豊かさや新たな発見、そして異なる文化との交流をもたらす重要な役割を担っています。旅行は単なる移動手段ではなく、人生を豊かに彩る貴重な経験であり、地域経済の活性化にも大きく貢献するものです。

弊社は名鉄グループの一員としてこれまで事業を営んでまいりました。昨年、名鉄グループでは新たな経営ビジョンとそのスローガン「名鉄×ＷＡＯ！」を策定し、グループ一丸となって新たな価値創造に向けて動き出しました。これからも信頼の源泉となる「安全」を基盤として、「驚き」から「感動」、そして「憧れ」につながる弊社ならではの価値を提供し続けてまいります。

また、永くステークホルダーの皆様との共生・協創を実現し続けることが企業の持続的な成長に不可欠であると考えています。コーポレートガバナンスは最重要課題の一つとして捉えており、より一層気を引き締め、コンプライアンス研修の強化や内部通報制度の整備などを通じて、ルールや社会規範を逸脱しない意識・仕組みを確固たるものとし、信頼を堅持する事業運営に取り組むとともに、「名鉄観光（ＭＷＴ）×ＷＡＯ！」を合言葉に、お客様にさらなる驚きと感動、そして憧れを提供できるよう、社員一同、「人と人との出会い」と「コミュニケーション」を大切にし、心豊かな社会の発展に貢献してまいります。

結びに、皆様の益々のご健勝とご多幸を心よりお祈り申しあげ、新年のごあいさつとさせていただきます。本年も倍旧のご指導、お力添えを賜りますようお願い申しあげます。