【観光業界リーダー年頭所感】四国旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 四之宮和幸 氏
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
平素よりJR四国グループに対しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は、中期経営計画2025の4年目として目標達成に向けた正念場であり、次の飛躍につなげる年度と位置づけ、「鉄道事業における収益拡大施策の推進」「構造改革の加速」「非鉄道事業における最大限の収益拡大」を重点実施項目として各種施策に取り組みました。
鉄道事業では、「JR松山駅付近連続立体交差事業」について9月29日に高架線への切り替えが完了し、新しい松山駅の使用を開始しました。今回の切替工事により踏切による交通渋滞及び踏切事故の危険性が解消されたほか、新しい松山駅では特急列車同士の乗換が同じホームの隣ののりばでできるようになるなど、より便利にご利用いただけるようになりました。四国外からの誘客や四国内の流動拡大に向けては、瀬戸大橋線ご利用3億人キャンペーンやものがたり列車運行開始10周年などのイベントを契機とした営業施策を展開しました。このほか、チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」バージョンアップや、8000系特急電車のリニューアル編成増備などのサービス向上を図ることで、お客様のご利用拡大に努めるとともに、地域のバス会社と連携し、当社の通学定期券をお持ちのお客様が沿線のバス路線も利用することができるモーダルミックス推進事業を実施し利便性の向上に努めました。非鉄道事業においては、3月に「TAKAMATSU ORNE」、9月に「JR松山駅だんだん通り」が開業し、多くのお客様にご利用いただいたほか、四国・リレーションシップファンドにおける出資やサーモンの陸上養殖など新規事業にも積極的に取り組みました。
本年は、中期経営計画2025の最終年度として、目標達成を確実にするべく経営改善に全力を傾注してまいります。
鉄道事業では、ハイブリッド式ローカル車両の導入などお客様により快適にご利用いただける施策を実施し、「安心して」「喜んで」「末永く」ご利用いただけるサービスの提供に努めてまいります。また、「瀬戸内国際芸術祭2025」や「大阪・関西万博」を活用した商品設定等による旅行需要の拡大を図るほか、引き続き省力化・省人化による生産性向上に取り組みます。
非鉄道事業では、昨年開業した「TAKAMATSU ORNE」「JR松山駅だんだん通り」における魅力的な店舗展開や商品設定に取り組み、ターミナル駅周辺のにぎわいづくりに貢献してまいります。このほか、「新しい領域」へのチャレンジとして、引き続きM&A戦略を推進するとともに、高知外資系ホテルの開発や新規事業の推進など収益の最大化に取り組みます。
また、地域の様々な関係者との連携や働きかけによって、駅を中心としたまちづくりとの連携、交通モード間の利便性向上・連携強化、交通結節機能の強化、駅舎や駅周辺環境整備によるご利用者の利便性・快適性向上とった取組みを継続し、「公共交通ネットワークの四国モデル」を追求していきます。このほか、2月に開館し様々なイベントが予定されている香川県立アリーナについては、お客様をお迎えする体制を整え、訪れたお客様が香川・高松にまた来たいと思える機会になるよう各事業で連携して取り組んでまいります。
当社グループと四国は運命共同体という認識のもと交流人口の拡大と地域の発展に貢献する企業グループを目指してまいります。
今後とも、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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