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【観光業界リーダー年頭所感】九州旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 古宮洋二 氏

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

平素より、JR九州グループに対しまして多大なるご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。

昨年は、当社グループが成長軌道へ復帰し、持続的な成長を遂げることを掲げた「JR九州グループ中期経営計画2022―2024」において、最も重要な最終年度の年としてスタートしました。

昨年の当社グループの経営成績について、鉄道事業ではインバウンド需要が旺盛で、JR-KYUSHU RAIL PASSの販売数はコロナ前を超える水準となっています。また、4月の「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」に合わせて、新しいD&S列車「かんぱち・いちろく」の運行を開始。西九州新幹線も、引き続き多くのお客さまにご利用いただきました。一方で、鉄道運輸収入全体で見るとコロナ前の水準には戻っておらず、引き続き、将来の技術革新や新たな価値創造を見据えた「未来鉄道プロジェクト」等による収支改善に取り組んでまいります。不動産事業を中心とした沿線のまちづくりについて、西九州エリアにおいては、主な開発が一段落し、現在は開業後の着実な成長に向けた取り組みを進めています。福岡エリアにおいては、オフィスビルや物流施設の取得など、幅広い領域にてまちづくりを推進しました。また、持続的なモビリティサービスの構築について、8月には日田彦山線BRTひこぼしラインが開業1周年を迎え、今後も多くのお客さまにご利用いただけるよう地域と一体となって取り組んでいきます。

他方で、JR九州高速船において安全の確保にかかる重大な問題が発生し多くの関係者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしたことは真摯に受け止め反省しております。改めて安全を最優先すべきであることを全グループ社員に浸透させるとともに、グループガバナンス体制の強化を図るなど再発防止に向けた取り組みを進めてまいります。

本年は現中期経営計画の最終年度であるとともに、次期中期経営計画のスタートの年でもあります。現在、次期中期経営計画の策定に向け改めて経営理念が当社グループらしさを表現できているか中長期的な視点で当社グループが持続的な成長を遂げていくため資本効率性等を踏まえた事業ポートフォリオ、鉄道の持続可能性向上策、グループの総合力を活かしたまちづくり等の様々な観点から議論しております。

また、本年4月には運賃・料金改定を実施いたします。今後も続く厳しい状況を踏まえつつ、基幹的輸送機関としての使命を果たすため、当社のさらなる経営努力を前提に、不足する費用の一部についてお客さまにご負担申し上げるものです。安全を最優先にサービスの向上を図り、これからも地域の皆さまの日々の生活を支え、将来にわたって持続可能な交通ネットワークとなるよう、当社として最大限の経営努力を続けてまいります。

皆さまの益々のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

年頭所感

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