【観光業界リーダー年頭所感】JTB協定旅館ホテル連盟 会長 宮﨑光彦 氏
新春を寿ぎ謹んでお慶びを申しあげます。
全国的に各種災害が深刻化した昨年、特に能登半島地震での甚大な被害は、一年を経た今もいまだ復旧復興に至っておらず、改めて被災された皆様に、心からのお見舞いを、そして衷心からのお悔みを申しあげます。
発災時、宿泊施設を中心に迅速かつ的確な避難誘導が行われ、JTBも被災者の移動手段を翌日には確保されるなど、危機管理対応に感銘を受けました。また、様々な復興支援が今まで切れ目なく行われるなど、困ったときに寄り添い助け合う、JTBと旅ホ連の存在意義を再確認することができました。
観光市場の動向としては昨年の国内宿泊者数はほぼコロナ禍前の状況に戻りましたが、訪日外国人の著しい増加に対して日本人の動きは今ひとつ伸び悩んでいます。そこで当連盟は、JTBとの強固な「戦略的パートナーシップ」に基づき、国内旅行の成長に向けた総需要の拡大と単価アップの実現を目指し諸活動に注力してまいります。
まずは“令和の大改革”として導入されたJTBの画期的な「国内客室管理ツール」の最適な利活用を促進し、各販売チャネルのリードタイムに合わせた客室やプランの提供、料金リバイスの柔軟な対応を一層推進するとともに、各地の成功事例を横展開することにより、国内宿泊販売の最大化に繋げます。
また旅ホ連活動の4本柱の一つである「地域振興」では、魅力ある地域づくりを通して、自らが新しいお客様を創造する取り組みを促進します。当該地域“ならでは”の価値ある着地コンテンツの開発を、全国47都道府県に在るJTBの各DMC支店が持つ仕入機能を活かし、支部会員と連携し行政と協働で取り組み、商品化はもとより、人とデジタルの力で稼げる地域へと体質改善が進むようサポートします。
加えまして昨夏JTBと「サステナブルツーリズム・パートナーシップ協働宣言」を締結しましたが、旅ホ連内での理解をさらに進め、日本らしさを活かし観光分野における日本版サステナビリティをけん引するよう、その機運醸成に微力ながら最大限に努めます。
今年は大阪・関西万博が開会します。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。私が中学生の当時EXPO’70に行った時に、将来への”夢と高揚感”で胸がいっぱいになったことを、今でも鮮明に覚えています。人類が抱える課題を解決するために、世界から先端技術などの英知を集め、新たなアイデアを創造し発信する場が万博です。ツーリズムの分野においても、AIなどのデジタルを活用した"産業革命“が起こる契機となるとともに、関西から日本各地へ人流が拡がることにも、大きな期待を寄せています。
25年もお客様、JTB、旅ホ連会員、そして地域が、万博のもう一つのキーワードである「共創」により“四方良し”となるよう様々な取り組みに挑んでまいります。
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