【観光業界リーダー年頭所感】日本旅館協定旅館ホテル連盟　関西支部連合会会長　金子博美 氏

謹んで新年のごあいさつを申しあげます。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。

昨年は、円安の効果もありインバウンドのお客様がけん引し、関西も京阪神を中心ににぎわいを取り戻しました。課題であった地方分散も各エリアの皆様の努力で、効果も出始め、全国的にはコロナ前を越える勢いでした。国内の団体旅行も、リアルのコミュニケーションを取り戻すべく、完全に戻りつつあります。

一方、世界に目を向けるとウクライナ侵攻、イスラエル・ガザ紛争は収まる様相がなく、我々の業界の平和と安寧は落ち着く様相を見せません。また、政治のトップが交代したのちの情勢における多方面への影響は注視しなければなりません。

さまざまな要因による物価の高騰は、日本人の消費意欲を削ぎますし、我々の足元においても、人材不足や人権費、燃料、原価の高騰に頭を悩ませます。会員の皆様におかれましては、そのような環境に臆することなく、知恵と工夫をしぼり、社員の協力のもと、お客様にご満足いただける安定したサービス提供に全力を挙げて取り組んでいただいております。その努力に改めて敬意を表します。

さて、私は11月には日本旅行事業でパリで開催された商談会に参加しました。フランスの人々は、日本に非常に興味や関心を持たれていました。特に長期休暇も多く、家族で旅行をする機会もあり、現実は総人口の数％しか日本に来られていないことを考えるとビジネスチャンスであると捉えることができます。

ホテルではＳＤＧｓ対応が進んでいて、ペットボトルやプラスティックはなく、代わりにマイボトルと給水箇所が設けられており、硬水、炭酸水が自由に補給できます。

サービス業の地位も高く、憧れの産業になっていました。歴史や背景も違いますが、我々も少しずつでも見習いたいものです。

昨年もスポーツ界では大谷翔平さんや山本由伸投手の活躍は目を見張り、バスケットの八村、河村選手、サッカー日本代表のほとんどの選手が欧米で活躍され、とりわけ女子ゴルフの若い選手がアメリカを主戦場に挑戦する姿は、素晴らしく明るい前向きになれるニュースでした。

また、パリオリンピックでの日本選手の活躍は勇気と元気をいただきました。

そのような勢いを商売にもつなげて、目的地に私どもが選ばれるよう知恵を絞り行動を起こしましょう。インバウンドの分散も継続し、広域に誘導できるような提案を積極的に行いましょう。

いよいよ今年は２０２５年大阪・関西万博開催年度です。ＪＲ大阪ディスティネーションキャンペーンが重なり、大阪も含め、前後泊、連泊いただけるような提案をし、関西の魅力を発信し質の高いサービスを提供し、関西のブランド力に磨きをかけていきましょう。

会員の皆様のさらなる発展、隆盛を祈念しております。