和歌山大学観光学部と連携 うれしの未来づくり塾、まちづくり担う人材育成/佐賀嬉野特集
嬉野市は今年9月、和歌山大学観光学部と観光振興に向けた相互連携協定を締結した。西九州新幹線開業も見据えた観光まちづくりを担う人材育成などを共同で進める。
人材育成は「うれしの未来づくり塾」。和歌山大学観光学部の教授らが講師を務め、観光による地域振興に関して先進地事例やフィールドワークなどを通じて学ぶ。宿泊などの観光事業者や市民ら約30人が受講する。
このうち11月4日の第3回塾では、インアウトバウンド仙台・松島の西谷雷佐代表取締役が観光地域づくりの思考法について講演。青森県をはじめ東北各地の着地型旅行商品造成を手掛ける西谷さん。170万人が訪れる弘前城の花見シーズンに「手ぶらで観桜会」という1人3万円ものランチ旅行商品をぶつけた。
「地元の人からは高過ぎて誰も来ないと言われましたが、初めから地元が買う想定はしていません」。「旅行=ハレの日」と、海外からわざわざやって来た他者を想像する。桜が美しい場所をキープし、地元産の食材満載のランチ、郷土芸能の披露など「弘前の魅力を可視化」させた。
また、旅行・観光商品は「素材を編集する」こととし、例えば遊覧船の場合「ただ乗るだけ」「船内で利き酒ができる」「船内に寿司職人が乗り込んで寿司を振る舞う」などに分類。西谷さんはそれを客単価を上げるための「因数分解」と話す。「観光は外貨獲得の手段」であり「地域の消費を引き出すハブ」だとし、域内調達率を高める商品づくりで持続可能性を志向してほしいと、塾生に呼びかけていた。
うれしの未来塾は、和歌山大学の出口竜也教授や、山田桂一郎さんらが講師を務め、2022年3月まで計6回開催。修了者には修了証書を授与する。
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