よみがえりの温泉郷―「温泉の聖地」和歌山を宣言 第4回わかやま12湯サミットin熊野本宮大社・川湯温泉
わかやま12湯サミットは、わかやま12湯推進協議会(青木査稚子会長=協同組合和歌山県旅行業協会会長、トラスト旅行)の主催。2021年に龍神温泉で開いた第1回サミットを皮切りに、22年は第2回サミットを南紀勝浦温泉で、23年は第3回サミットを白浜温泉で開催してきた。それぞれ開催温泉地の歴史や文化を背景に地域が一丸となって温泉振興に取り組むことを宣言、採択している。
今回の第4回サミットでは、日本最古の温泉で世界遺産に登録されている湯の峰温泉をはじめ川湯温泉、渡瀬温泉という3つの個性ある温泉で構成される「熊野本宮温泉郷」を抱える熊野地域をクローズアップ。
巨石信仰や自然崇拝など太古から神々が鎮まる神聖な場所として人々をひきつけてきた熊野。険しい参詣道を歩き神々の棲む山を詣で、温泉に浸かって穢れを落とし新しい自分に生まれ変わることから「蘇りの地」とも呼ばれる。その中心に座す熊野本宮大社には12柱の「熊野十二所権現」が祀られている。
わかやま12湯推進協議会では「熊野十二所権現」にあやかり、12湯の個性ある温泉がそれぞれ国内外から訪れる人たちを蘇らせ、元気にする温泉地であることを確認、発信する場として捉え、第4回サミットで「よみがえりの温泉郷~温泉の聖地・わかやま」を宣言した。
今サミットの宣言を踏まえて、わかやま12湯推進協議会では①和歌山県には508の源泉があり関西随一の源泉数を誇ること②火山帯がないにも関わらす温泉地が山、川、海と県下に広く点在していること③血の巡りをよくする温熱効果や温泉成分が体調を整える効果、転地療養による効果など「人を癒す」「人を元気にする」特性を温泉が持つこと―から、和歌山の温泉を「よみがえりの温泉郷」としてのアピールを強化。
また、皇族や貴族が遠方から度々湯治に訪れた歴史を持つ白浜温泉、源泉数が177あり県内の源泉の3分の1を占める南紀勝浦温泉、熊野詣での参拝の前に身体を清める湯垢離場(ゆごりば)として栄えた熊野本宮温泉郷、紀州の歴代藩主に愛された龍神温泉などをはじめ、紀北や紀中、紀南といった県内全域に良質な温泉を提供できる施設が数多くあることから、今後は12湯以外の温泉地と接点を増やし「よみがえりの温泉郷」「温泉の聖地」を県内の共通認識として定着。12湯の名称とともにブランディングしていくことも視野に入れる。
さらに、和歌山県では現在「聖地リゾート‼和歌山」と銘打って誘客に注力。「毎日に疲れたら、和歌山を訪れてはどうでしょう」と呼びかけ「心と体を再生する聖地リゾート」「旅のはじまりの地といわれる和歌山へ、新しい自分をはじめに来ませんか」と訴える。このキャッチフレーズからしても和歌山観光が「人を蘇らせる」「人を元気にする」場であることが読み取れる。
12湯推進協議会の活動の中心を担っているのは、旅館ホテルで働き和歌山の温泉をPRする「和歌女将」。和歌女将は自らを温泉伝道師的役割と位置づけ、互いの温泉地同士を認め「オール和歌山で温泉をアピール」してきた。よみがえりの温泉郷、温泉の聖地の周知、定着には和歌女将精神が欠かせない。
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