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素泊まりコンパ、口コミで学生増 東京・本郷 鳳明館

東京・本郷の旅館が、学生の歓送迎会で賑わっている。

「この時期は学生の素泊まりコンパが多いんですよ」。小池邦夫さんは、東大の赤門から徒歩10分圏に登録有形文化財の鳳明館、台町別館、森川別館の3軒を経営している。

数年前、東大の合唱部が素泊まりコンパで利用したのをきっかけに、口コミで利用するサークルが増えたそうだ。

「先輩の追い出しコンパ、新入生の歓迎コンパ。泊まれるから安心なんでしょう。朝まだ盛り上がっていますよ」

飲み物、食べ物の持ち込み自由で、1人だいたい5千円ほど。手間がかからず、1グループ40―50人という人数も魅力。直予約だから手数料もない。2月は受験生の利用もあるが、1人1室と人数が限られる。

他の旅館でも、この時期は素泊まりコンパが多いそうだ。

「ありがたいのは、1度利用して気に入ってもらうと、先輩から後輩へと毎年続いていくことです」

ただし宴会が盛り上がり過ぎて、こちらから出入り禁止にしたサークルも幾つかある。期間は3年だそうだ。こうしたことも想定し、素泊まりコンパは全館貸し切りが基本。グループ旅館が3軒あることも受け入れを容易にしている。

かつて修学旅行生の宿泊先として、一時代を築いた本郷の旅館群。しかし、修旅の宿泊先が多様化したことなどで、90軒あった旅館が10軒ほどにまで減っている。

鳳明館グループでは外国人宿泊者の誘致にも取り組み、年間8千人を受け入れている。

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