"夢のイベント" 鳥羽の若女将が実現
本紙連載「NATO廃絶」で山田桂一郎さんが開催までの過程を高く評価していた「鳥羽シネマフェスティバル」(トラベルニュースat 9月25日号12面参照)が9月26日に開かれた。
主催したのは鳥羽若女将うめの蕾会(江崎貴久会長)。はじまりはメンバーの1人が「鳥羽の真っ暗な夜の海をバックに、ラブストーリーを見るのが夢」と言ったこと。これまで、いろいろなイベントに取り組んできたが、どちらかといえばよそ行きの、それも高齢者向けが多かった。「若い子には、どこかストレスがあったのかもしれません。自分たちも楽しめて、お客さんも楽しいことができたらいいね、って話していました。だから皆、その子の夢に『よし、やろう』って」(江崎さん)。
会の中でも若い20代のメンバーが中心になって動いた。彼女たちは、夢の実現に向け協力をお願いしに回った。メンバーの大半は、こんなふうに町を歩くのは初めての経験。昔フォークをやっていたおじさんやフラの愛好者の人たちが「出演したい」と名乗り出てくれた。商店会の若手も乗ってくれた。たまたま姿を見せたビール会社の営業マンには協賛を頼んだ。2万円を出してくれた。「ただもらっただけでは申し訳ない。皆でビールのCMを作って、上映の時に流そう」。ポスターは、メンバーと同級生だった鳥羽市出身の漫画家はっとりみつるさんにお願いした。
そして迎えた本番。約200人が来た。自ら参加を名乗り出た人たちの手弁当の屋台が並び、夕暮れの海沿いの公園に特設したステージでは、おじさんたちがフォークソングを披露した。日が沈み、手づくりスクリーンに市民オールキャストのようなCMが流れ、「タイタニック」を上映した。