大家族や４世代の思い出に　全旅連シルバースター部会「あったらいいな宿泊プラン」

全旅連シルバースター部会は「家族の長寿祝い　こんな宿泊プランがあったらいいなコンテスト」の優秀作品41点を選定し、ウェブサイト「宿ネット」で公表している。２００９年12月―10年２月に募集した。　同部会では、「宿泊プラン作りの参考にしてほしい」と期待している。ここでは、そのうちの３つのプランを紹介する。

１つ目は69歳の女性が応募。プラン名は「家族まとめて一緒プラン」。

「我が家は、目下総勢19名です。夫は72歳、私はもうじき70歳。３男１女をもうけて、結婚46年。４人の子らはそれぞれ結婚し、子を産み、孫の数は９人となりました。これまでに、夏休みにはだいたい全員で私のふるさと群馬県へ１泊または２泊の旅をしてきました。宿泊料は私たち夫婦が負担しています。今から30年前、私の父母が我が家６人を夏休みに迎えてくれて、赤城山、尾瀬戸倉、水上、四万温泉と連れて行ってくれました。父母がしてくれたことを今の私たちは、自分の子らや孫らにしています。父母が生きていたころはただ甘えるだけで、何もお返しできなかった。だから今は、父母がしてくれたことをしています。それで『家族まとめて一緒に』プランを提案します。温泉２泊、まとめて30万円、19名というプランです。温泉は１泊ではいけません。２泊が必要です。食事は個々人ではなくて、大皿料理を囲んで食べたいです。お願いします」

大家族で旅館貸し切りプランもできそうだ。

２つ目は、40歳女性からの提案。プラン名は「なつかしメロディー合唱プラン」。

「私は最近平均年齢75歳の親族とホテルに泊まり、そこの石碑の『やしの実』を見て、ホテルの１室に皆が集まり、何度も何度も合唱して、束の間の童児のころに帰った気持ちになりました。その時１人が『卒業の歌』『軍人を送る歌』を歌い、初めて聞く私は、涙が止まりませんでした。私が今回提案したいプランは、『懐かしメロディー合唱会プラン』です。メニューは３セット。１つは唱歌集。昭和５―40年ごろまで。１つは軍歌。１つは演歌ナツメロ。その中から主賓者に選択してもらい、皆で合唱して、あのころの若き青春時代に戻る気分を味わうのです。束の間のひと時を大いに楽しみ、明日からの実生活を充実させ、１日１日を大切にすることを、心にとめる思い出の大切な日にしたいと思います」

３つ目は、37歳の女性からで、「４代の成長発表会プラン」。

「来年、還暦の母、米寿の祖母がおります。私には小学生の子どもが２人おります。宿に到着したら、私の娘たち（10歳、９歳）が厨房にちょっとおじゃまさせてもらって夕食作りのお手伝い。難しくなく、それでいて愛情がこもったお食事ができたら嬉しいです。夕食時は仲居さんの格好をして、キチンとあいさつをしたりして、お肉を焼いてみたりお世話係りを体験。温泉では、背中を流してみたり。食後は、今度は祖母たちに絵手紙を教えてもらって飾ったり、お部屋のお花を一緒にいけてみたり。交流を楽しむ体験があると楽しそう。家族にとって、子どもたちが成長した姿をみるのは、一番嬉しいもの。そんな姿を見せてあげるのも、プレゼントの１つだと考えます。子どもたちも、職業体験を早くからできるのはいいものだと感じますがいかがでしょうか」