来年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国」、京都で本格撮影開始
2011年のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」の本格的な撮影が9月7日、京都最古の禅寺・建仁寺で始まった。この日行われた記者会見では、江を演じる主演の上野樹里さんをはじめ、茶々役の宮沢りえさん、初役の水川あさみさんの"浅井三姉妹"、母親で市役の鈴木保奈美さん、江があこがれる細川ガラシャ役のミムラさんが顔を揃えた。
"浅井三姉妹"が揃って撮影に臨むのはこの日が初めてで、建仁寺では1581年(天正9年)春、織田信長の馬ぞろえを見物するために伊勢から京にやって来た江、茶々、初と母・お市が寺巡りの途中で、市村正親さん演じる明智光秀と出くわし、初めて光秀の娘・細川たま(ガラシャ)と出会うシーンが収録された。
江、茶々、初の3人は、それぞれ愛らしい着物姿を披露。宮沢さんは「こういう素晴らしい場所で撮影させていただくのは、時を越えて感情移入するには最高の環境で、役にスッと入ることができました」、水川さんは「京都生まれの大阪育ちなので、子どものころはよく琵琶湖で遊びました。大人になって初を演じることになり、運命的なものを感じます」と話していた。
鈴木さんは「お市の方と三姉妹にとって、琵琶湖はキーポイントになる場所」と述べ、「この時代の女性は自分の足でダイナミックに力強く生きていることが魅力です」とコメント。ミムラさんも「時代劇は初めてですが、女性の強さと弱さを見逃さないように丁寧に表現していきたい」と語った。
上野さんは撮影前に江ゆかりの地を旅したことに触れ「放映前なのに、まち中に『江』の名前が入った旗などが立ててあり、影響力のあるドラマであることを再認識しました。自分たちもいい作品づくりができて楽しめ、見ている人たちや町に活気あふれるようなものを発信をしていきたい」と意気込みを語った。江というキャラクターについては「ヒロインとはいっても"隠れキャラ"なので、知らない方も結構いらっしゃると思います。でも秀吉や信長に興味を持って1人で会いに行ったりする女の子で、男っぽいところがあるはっきりとした性格」と分析。「姫っておもしろい生き物。三姉妹は三者三様で、みんな違ってそれぞれの強さを持っています」とも評した。
「江」は大河ドラマ50作目となる作品で、織田信長の妹・お市と浅井長政の間に生まれた"浅井三姉妹"の三女・江の波乱に満ちた生涯を描く。原作・脚本は宮崎あおいさん主演の大河ドラマ「篤姫」を手がけた田渕久美子さんで、音楽も同じ「篤姫」の吉俣良さんが担当する。
「江」の舞台となる滋賀県や福井県などでは、すでに独自のキャラクターやパンフレットを制作し観光客誘致のためのPR活動が活発化。多くの人が「江」ゆかりの地を訪れることを期待している。
なお、今回撮影の舞台となった建仁寺の本尊である十一面観音菩薩は江の五女、東福門院和子(まさこ、幼名松姫)が寄進したもので、織田信長の異母弟になる有楽斎が立てた信長供養七重石塔などがあり、江と縁のあるところで"浅井三姉妹"が揃って撮影が始まったことは意義深いと、関係者は話していた。