西国霊場が18年に草創1300年 今年から5年間記念事業
日本最古の巡礼道とされる「西国三十三所」が、2018年に草創1300年を迎えるのを記念して、巡礼所三十三寺院で構成する「西国三十三所札所会」(会長=滋賀県大津市・石山寺座主・鷲尾遍隆)が今年から2020年までの5年間「西国三十三所草創1300年記念事業」を行う。巡礼道では、四国霊場八十八所が13年に開創1200年を記念し、1年を通じて様々な行事を行い、四国全域が巡礼者や観光客で賑わった。
スイーツなど新巡礼を提案
西国三十三所は718年に観音菩薩が人々を救うために示したと伝わる観音霊場で、観音菩薩が33の身を変えて人々を救うという教えのもと「西国三十三所」と総称され、各寺院は札所として順番に参拝する巡礼文化が起きたとされる。
1月26日には、東京・浅草の浅草寺で記念事業の説明会が開かれ、三十三所の代表者が集まり、今年3月25日に石山寺で1300年記念行事の幕開けとなる「開白(かいびゃく)法要」が行われることや、各札所の「お寺スイーツ」を食べ歩くスイーツ巡礼の概要を紹介した。
記念事業の峰覚雄実行委員長(滋賀県・竹生島)は「観音菩薩の慈悲の心を広く知っていただこうと記念事業を企画した」とあいさつ。期間中、33の寺で秘仏や宝物の公開、特別拝観を行うことなどを説明した。
また、新しい巡礼の形として、毎月1回1札所で特別な朱印を押す「月巡り巡礼」や、一般参加者を募集し3年をかけて西国札所徒歩巡礼を行うことなどを紹介した。
また、女性やファミリーに楽しみながら巡礼をしてもらおうとスイーツ巡礼も企画している。各寺には長年愛されるお寺スイーツがあり、100種類以上のスイーツが参加を予定している。会場には饅頭や草餅、きんつばやみたらし団子、クッキーといったスイーツが並べられた。
西国三十三所は近畿2府4県と岐阜にまたがり、一番札所の和歌山県那智勝浦町の青岸渡寺から熊野古道や日本最古の官道とされる竹内街道などを通る約1千キロの巡礼道を形づくっている。