外貨決済で気軽にショッピング シンカネット「AES-CT1」、専用端末で決済可能に
訪日外国人観光客が自国の通貨でショッピングを楽しむ―。専用端末を店頭に設置することで、そんな決済サービスが実現する。急増するインバウンドに対応し、ビジネスチャンスの拡大を後押しする端末だ。
専用端末は外貨決済支援端末「AES―CT1」。
例えば、中国人観光客が1万円の商品を購入したいと思う。ただ手持ちの日本円では足りない。AES―CT1で「中国・元」による支払いを選択、その日のレートで仮に「590元」と表示される。客は600元を自ら端末に投入。お釣りの10元分は通常レジから日本円で返す。
店側は商品が売れ、観光客はほしいものが手に入った。ただ、店側のメリットはそれだけではない。
この端末は通貨判別や偽札を識別するので外貨の知識がまったくなくても運用が可能。レートは通信機能によって当該日の最新レートに更新される。また、偽札の保証があり安心して決済が可能となる。
対応する外貨は120カ国の通貨の中から最大12通貨(85金種)が選べる。店側は釣銭の日本円の準備と管理だけでいい。端末内の外貨残金も通信機能によって管理される。精算は月1―2回程度行う。
しかも、この端末は両替もできる。外貨を受け取り、表示される日本円をレジから出金するだけ。両替の手数料は店の収益になる。
AES―CT1を取り扱うシンカネット(本社・大阪市)の安岡和則さんは「クレジットカードや銀聯(ぎんれい)カードによる決済は、カード会社へ手数料が必要です。特に銀聯カードは年間の上限規制がはじまり、現金の需要は今後高まっていきます」と端末設置の利点を話す。
特に外貨両替は、外国為替業務の規制緩和で現在、金融機関以外でも自由化され、月額100万円以上両替した場合は報告書を提出するだけ。
安岡さんは「訪日外国人が旅行中に不便を感じる上位に、両替があります。免税店と合わせた外貨決済および外貨両替は集客ツールとして、急伸するインバウンド市場を自社の収益に転換できます」とメリットを強調する。
端末の大きさは高さ47センチ、幅16.5センチ、奥行き39.1センチとコンパクト。POSレジ周辺など設置場所を苦慮せずに置ける。
問い合わせはシンカネット(担当安岡)電話06―6377―3806。