上方ゆかりの舞踊を楽しめる「花舞台浪花賑」 4月28日開催(1)
4月17日、大阪市中之島に「フェスティバルシティ」が全面開業し、シティの中核施設の1つであるフェスティバルホールで開催される「第55回大阪国際フェスティバル2017」は全演目をフェスティバルシティ・オープン記念として企画。なかでも4月28日に開催される「花舞台浪花賑(はなぶたいなにわのにぎわい)」は、上方舞の楳茂都流、山村流、宝塚、歌舞伎と4つの上方ゆかりの舞踊を一同に会して楽しめるという滅多にない公演だ。
1つ目は、上方舞「手打唄・梅の小袖(てうちうた・うめのこそで)」。上方舞四流のなかで大阪を発祥とする楳茂都流で、演目は京都の花街の宮川町のみに伝承されているもの。通称「大阪締め」と呼ばれる独特の手打ちを織り込み、祝席などで披露されるという。舞うのはもちろん宮川町の芸妓、舞妓で、華やかな幕開けを飾る。
2つ目の上方舞「三ツ面椀久(みつめんわんきゅう)」は、同じく上方四舞の1つ、大阪で生まれ大阪で発展した山村流の舞が楽しめる。演目は伝承曲のうち、最も古い演目の1つで、大坂新町の傾城松山を恋い慕い、物狂いとなった椀久が、田舎大尽・傾城・太鼓持ちの三つの面を使用してお大尽遊びを見せる。
椀久を山村流六世宗家・山村友五郎、女流義太夫で人間国宝・竹本駒之助の浄瑠璃にて勤めるという文化的価値の高い演目である。
3つ目は、ガラリと雰囲気を変え、関西を代表する芸能、宝塚歌劇団による「舞踊『宝塚、春爛漫』だ。舞踊「元禄花見踊」をもとに、この公演のために創作したというスペシャルバージョンだ。出演は、元・星組トップスターの瀬戸内美八、南風舞ら宝塚歌劇団卒業生たちが華麗に踊る。
最後が、歌舞伎舞踊「楳茂都 三人連獅子」を、楳茂都流四世家元を継承した歌舞伎俳優の六代目片岡愛之助、中村壱太郎、片岡千之助の三名が舞う。親子の情愛を描く人気演目を父、母、子の三名で舞う独自の構成であり、貴重な鑑賞の機会といえる。
これらを桂米團治の案内で楽しむという構成だ。演出は駒井宏昭が担当している。S席9500円(税込)、A席7500円(同)など、学生席1000円(同)。全席指定。