旅行意欲衰えず、近場への旅求める傾向 じゃらんRCがコロナによる旅行市場への影響調査
リクルート・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)は、新型コロナウイルス感染拡大が旅行市場へ与えた影響に関する調査結果をまとめた。調査は2020年3月―21年3月までに全国の20―70代の男女1652人を対象に6回実施。旅行意欲の減退はみられないものの、近場への旅、感染対策の情報開示や混雑回避を求める傾向が強いなど、やはり旅行者の意向はコロナを意識したものに変化している。
コロナ禍が始まってからの旅行意欲は、今後のレジャー計画に対する意向から探った。「旅行に行きたいが様子を見ている層」はこの1年間で35%―45%で推移し、項目中最大に。「予定しており気にせず行く」「予定をしており気を付けながら行く」「旅行に行きたいが様子を見ている」をあわせた旅行意欲がある人の割合は40―60%となり、1年間で変化はない。
「予定しており気を付けながら行く」は、Go Toトラベル実施の20年7―12月に増加、2回目の緊急事態宣言発令期は減少。感染状況に左右されるようで、同センターでは、今後コロナ収束が見えてきた際に徐々に旅行再開の可能性が考えられると指摘している。
では、国内宿泊旅行再開の時期はいつごろだろうか。21年3月時点での今後の旅行実施予定は9―11月が29・1%で最も高かった。12―22年2月は13・9%と低く、昨年も秋はGo Toで実施率が高く、冬は感染状況から低下した経験を踏まえたものかもしれない。22年春以降は21・7%となっており、ワクチン接種状況など情勢を判断してからということのようだ。
直近から22年春以降までに希望する旅先は、旅行希望は、直近では県内や近隣県など近場を選択する傾向が強く、21年秋以降は遠隔地の意向もやや高まってくる。
旅行者が旅に求めるものは、宿泊先や観光スポットに対して「従業員のマスクの着用・消毒」「従業員に検温」などの基本的な感染対策が上位に。「対策に関する情報公開」も上位となっている。
旅行の検討事項は「人の多いところは避けたい」が59・7%でトップ。三密回避はもはや定着した感がある。
調査結果から、同センター研究スタッフの五十嵐大悟さんは「旅行意向者の安心・安全は確保したいという思いを汲んで、各地域や宿泊・観光事業者の皆さまは対応を検討し準備することをお勧めします」「コロナ禍をきっかけとした新しい生活様式や重要視する観点の変化によって旅行者は分散化を望む傾向が見られ、旅の分散化も同時に進む可能性が期待されます。ウィズコロナ・アフターコロナ期では観光地の住民の理解にも考慮した「持続可能な観光」の観点はさらに重要になると考えられます。受け入れ側の地域・事業者の皆さまも量だけでなく質を重視した戦略への転換や年間を通したコンテンツの提供などが、さらに重要な施策となるでしょう」と指摘している。
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