人生を見つめ直す旅に 「ゆいごん白書」で新提案
「自分の人生を見つめなおす終活が、もっと身近で生活の一部になっていければ」―。こう話すのは、はっぴいandプロジェクト(大阪市中央区)社長の辻瑞恵さん。
辻さんは4年前、自ら「あんしん未来シート『ゆいごん白書』」を考案した。入院時や死後の身辺整理などの設問にチェックマークを入れるだけで、簡単に遺言が作成できるというもの。これまでに1500人以上が「ゆいごん白書」を作成している。
作成は、延命治療はどうするか、希望する葬儀の形式、飼っているペットの預け先、自身のSNSの有無など60項目をチェック。講師が説明を交えながら90―120分かけて講座形式で書き込んでいく。
「『ゆいごん白書』を書くことで最後まで人生に責任を持ち、家族間の争いごとを減らすことにもなります。加えて親子など世代間のコミュニケーションツールにもなりますし、自らの健康について向き合う機会でもあるのです」と辻さん。
そして今、考えているのは「ゆいごん白書」と旅のコラボ。寺社めぐり、研修旅行などの間に作成講座を組み入れ、「旅という日常と離れた環境で、改めて人生を見つめなおし、新たな自分と出会う機会をつくりたい」と話す。
すでに、岐阜県や佐賀県の旅行会社が、辻さんの考えに呼応し「終活ツアー」を企画。旅行会社のスタッフが「ゆいごん白書」認定講師の養成講座を受講し、資格を取得した。
コロナ禍という未曽有の経験をしたからこそ、人生と向き合う旅のスタイルを多くの旅行会社とともにつくり上げていきたいと考えている辻さんだ。
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