フェリークルーズで地域振興-髙橋・大阪市住之江区長vs井垣・フェリーさんふらわあ常務(2)
―今後の展開の中で、さんふらわあとして考えておられることは。
大阪をマイアミ化 住之江拠点に訪日旅行
井垣 アメリカのクルーズ人口は1千万人で、日本は20万人程度しかありません。アメリカの人口2・5億人と比較して、日本の人口1億人に対して日本のクルーズ人口は少なすぎます。この差のひとつの要因がフライ&クルーズを実施しているかどうかの差だと言われています。
日本の豪華客船は料金が高価で首都圏を中心に運営されています。いわゆる安価で経験できる定期運航のカジュアルクルーズの運営ができていません。しかしこれを波が静かで多島海の瀬戸内海を航海しているフェリーでクルーズ化できれば新しいマーケットの創造が可能です。
アメリカのクルーズはマイアミが拠点です。アメリカ中から安い運賃の飛行機でマイアミに来てクルーズをするので、1千万人になるんです。
そう考えると大阪をマイアミ化すればいいんです。瀬戸内海がカリブ海という発想です。カリブ海の先には別府や由布院があり、マイアミよりはるかに魅力的な観光地や温泉地があります。
大阪まで来ていただく方法はいくらでもあるのですが、例えばLCCで安く大阪に入って、南港から九州へ行ってもらうというパターンです。九州から大阪という逆コースもできます。
―LCCを使ってフライ&クルーズというわけですね。
井垣 そうですね。LCCとなると関西国際空港(関空)ですから、例えばまずLCCのジェットスターで成田から関空に入り、住之江区にあるハイアットリージェンシーまでリムジンバスに乗っていただきます。同ホテルから1時間程度で行ける京都や奈良、大阪を周遊し、翌日にはさんふらわあで九州まで非日常のクルーズを楽しんでいただけます。同ホテルと南港の乗り場は徒歩で10分以内と至便です。
住之江区を滞在の拠点にすれば、関西観光とクルーズ、さらには九州旅行という3つが簡単で、しかも手ごろな価格で楽しめます。その際、住之江区には告知なり何らかのインセンティブを考えていただければ、全国に住之江区を知ってもらえるようになるのではないでしょうか。
髙橋 住之江区の知名度を上げるにはいいかもしれません。住之江区にある古き良き日本をアピールできるものがあればインバウンドにも対応できる可能性も出てきますね。
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