中小旅行会社の存在感示す OATA新三役、現状と今後を語る(3) 組合ファーストで努める
連絡協議会とともに発展
−今後の取り組み、展望をお聞かせください。
徳原 今年の総会で1組合員が1カ月に取り扱えるクーポンの無条件発券限度額を5千万円までとしました。これは組合員の倒産や破産といった「事故」が起こった際、OATAという組織が揺らがないために決めたことです。
数年前に3千万円から8千万円の「事故」が続いた時期があり、相当額の未精算額を抱えました。その際「OATAは危ないのではないか」という噂が流れましたが、毎年7月に実施しているOATAビアパーティーの席上で「OATAには十分な資金があるので心配しないでほしい」と噂を打ち消しました。
その前後、何億円もの清算を行い処理し、残りも少なくなってきたなか様々な検討を重ねた結果、今回の限度額の承認を得ました。100億円近いクーポンの取り扱いをしているOATAでは発券額の2−3%の処理費用を持ち、組合の健全性を保たなければいけません。今後、機会を捉えてどう健全性を保っていけるかの議論を組合員と一緒に進めていきたいと思っています。
−全旅が発表している年間の全旅クーポン発券額ランキングで、OATAは毎年上位にランキングされていますね。
徳原 株式会社全旅にはもっと多くのANTA会員に全旅クーポンを発券させ販売高を伸ばし、中小旅行会社の存在感をアピールしていただきたいと思っています。全旅クーポンとOATAクーポンを組合員が選択し使い分け、自社の繁栄につなげていけばいいのではないでしょうか。株式会社全旅の取扱高が伸び、中小旅行会社の存在が評価されるのは、OATAの組合員が評価されるのと同じだと受け止めています。
−OATA連絡協議会についてはいかがでしょうか。
徳原 協同組合全旅九州沖縄との連携については、OATA連絡協議会加盟の在阪案内所の施設利用を継続して働きかけたいと思っています。OATAとOATA連絡協議会は車の両輪で、お互い苦しいときは助け合ってきた対等の関係です。他の旅行業団体の協力会とはまったく位置付けが違うということだけは訴えておきたいですね。
−最後に清水さんからOATAへの抱負を。
清水 新三役は全員が三役経験者です。3人とも6期以上理事を経験しています。その間に培ったノウハウを生かし徳原理事長の両脇を支え、2年間、OATA発展のためにまい進していく所存です。自分ファーストではなくOATAファースト、組合ファーストを念頭に誠心誠意努力していきたいと思います。
今年度の理事や支部長はみんなやる気満々で、いろんな活動にも積極的で活発な意見も出ています。新しい執行部にご期待ください。
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