全旅連青年部、宿フェスを語る(1) 宿泊業界の実現、実行力示す
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(塚島英太部長=長崎県・ホテル長崎)が2月5―6日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開く「第3回宿観光旅博覧会(宿フェス)」。宿泊産業の「サスティナビリティ」をテーマの一つに掲げ、全国47都道府県の青年部員がそれぞれ各県のブースで観光や物産のPRを行うほか、インバウンド向けカルチャーブースや文化体験コンテンツを設け、観光の潜在能力や可能性、発展性をアピールする。宿フェスが始まった経緯、今後どのように発展させていくのか、今回の宿フェスの意義なども含めて関係者に話してもらった。
自分たちで考えて活動する シンボリックなイベントに
―宿フェスを実施するきっかけから教えてください。
鈴木治彦(第24代青年部長。岡山県・奥津荘) 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催中に世界の方々に向かって日本文化やおもてなしを大々的にアピールしたいと思ったのがきっかけです。18年1月のことです。当時は「宿フェス」という名称も決まっていませんでした。
宿泊業界って、他業界と比較すると自分たちの知恵や知識を力にして集客に結びつけようとする意識が薄いと思っていましたので、自分たちで何か大きな成功体験を積めば、いろんなことにトライしていく意識になるのではないかと思ったんです。成功体験があれば自信を持って青年部活動や業界活動を行い、自身の宿の経営にも前向きに取り組むことになる。そんなイベントを開きたいというのが宿フェスの最初のイメージでした。
星永重(第25代青年部長。福島県・藤龍館) 鈴木さんが宿フェスを発案されましたが、コロナ禍で任期中には開くことができず、私が引き継ぎ「コロナ禍からの復興と宿泊業界の反転攻勢の狼煙」という思いで23年に初めて開催しました。
鈴木さんがおっしゃったように宿フェスは単なるイベントではなく、青年部員が自分たちで考えて活動するためのシンボリックなものだと捉えています。コロナ禍でのGoToトラベルは当初宿の直予約は想定されておらず、我々が動くことで直予約も対象になりました。これも自分たちが考え動いたからこそ実現できたものだと思います。その意味で宿フェスは、これまでの依存体質から脱却するための同意語だと捉えています。
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