客室流通を革新 佐藤義正さん(国際観光旅館連盟会長)(2)
―旅行会社との関係はどのように変わるのでしょう。
「大きくは変わりませんが、対消費者を軸に、お互いに緊張感のある関係を構築できると思います。今以上に切磋琢磨の状況が生まれるのではないでしょうか」
依存体質から自助努力へ
―実験はいつごろから始まるんでしょう。
「8月にも参加旅館の募集を始める予定でしたが、少し遅れているようですね。国観連に9支部ありますので、各支部30旅館は加わってくださいとお願いしています。この事業は国の事業であって、国観連単独の事業ではありませんので、日観連や全日本シティホテル連盟からの参加もあるだろうと思います。全体では300―500軒程度になるんじゃないでしょうか。旅館が中心の、新しいビジネスモデルを作るんだという意気込みで取り組みたいと思っています」
―最後に観光庁に対する期待を聞かせてください。
「観光行政が一元化される意義が一番大きいと思います。観光庁が観光行政の中心になることが明確になり、今以上に政府一体となり施策が進められることに期待しています。特に、国内観光関連消費30兆円、年間観光宿泊数4泊に向けて、強力に施策を展開してほしいですね。宿泊業界としては、観光立国推進基本法で、旅館業の重要性をきちんと位置づけていただきましたので、税制面や金融面での振興策にも今まで以上の期待をしています。ただし、観光庁ができるから、これですべてが解決するわけではありません。民間も緊張感を持って、常に現状への理解と要望を働きかけていくことが大事です。国観連の存在感を打ち出し、国観連の考えを施策に反映していただけるよう、これまで以上に、国の施策に協力していきたいと思っています」
(トラベルニュースat 08年8月25日号)
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