婚活・恋活ツアーが人気 ジェットホリディ(1)
ジェットホリディ(本社・大阪府藤井寺市、駒井和久社長)は2009年から自社ブランドのハピネスツアーで「婚活・恋活ツアー」を催行している。旅を楽しみながら男女の出会いをプロデュースするツアーで、年間で1300人、累計で約3千人が参加しているという。非婚、晩婚と言われる風潮の中、婚活・恋活ツアーとはどういったものなのか、同行させてもらった。
(奥坊一広)
場を盛り上げ"檄"も コーディネーター
「婚活・恋活バスツアー」の7―8月のラインナップを見ると、琵琶湖の景色や星空を楽しむ「七夕スペシャル・星のお兄さんの爆笑解説で星空散策と琵琶湖絶景スポット」、花火を観賞する「和歌山マリーナシティ・夏花火スターライトイリュージョン」、夜景を眺める「六甲山百万ドルの夜景満喫婚活ツアー」など、カップルの定番といったコースが並ぶ。ツアーの料金は一律1万1千円だ。
ツアーはカップリング専門のカリスマ婚活コーディネーターと添乗員が同行。婚活コーディネーターはカップリングに全力を注ぎ、添乗員はツアーがスムーズに進むように行程管理に専念するという。
実際にどのようなツアーなのか。7月に催行された「和歌山マリーナシティ・夏花火」ツアーに同行した。参加者は男性24人、女性20人で、年齢層は30代から40代。
カリスマ婚活コーディネーターの酒井貴絵さんに話を聞く。「出会いの機会がなかった人たちが参加しているわけですから、そう簡単にお付き合いが始まるわけではありません。5回、10回と参加していただいて、うまくタイミングがあえばお付き合いにつながっていくのだと思います」。なるほど。そんなに簡単にいくんだったら、誰も苦労はしない。それでも、これまでで7組がうまくいったそうだ。
大阪からバスに乗り込み、男女ペアで席に着く。道中、話をしたりしながら和歌山マリーナシティ内にあるわかやま館へ。ここの会議室で男性から女性へ1人3―5分の持ち時間で自己PR。とはいってもなかなかアピールできない参加者に「自分の携帯電話の番号を伝えて、相手の番号も聞きましたか」「もっと自分のことを訴えないと相手に伝わりませんよ」と、酒井さんの"檄(げき)"が飛ぶ。
20人と話をしたため、ある男性の参加者は「普段、こんなに女性としゃべることがないから疲れました」とポツリ。すると酒井さんは「そんなことを言っているから出会いがないんですよ。今日は1日に一度に20人の女性と話せるですから、チャンスですよ」と励ます。
このあとレストランに移動してグループごとにテーブルにつき、ビールを片手にバーベキュー。テーブルによっては、ずいぶんいい雰囲気の男女もチラホラ。
その間、酒井さんは各テーブルがうまく盛り上がっているかチェックに回り、動きに無駄がない。常にカップリングを意識しているという感じだ。バーベキューのあとは花火の見学があったが、ここでも酒井さんは動き回っている。
帰りの車中で何組のカップルが生まれたのか最終確認はしなかった。だけど、婚活ツアーには酒井さんのようなコーディネーターの重要性は十分に認識した。旅行というある意味、異日常な中での男女の雰囲気づくり、それを支える旅行会社の信用があってこそ、このツアーは成り立つ。