聖地への物語が人を動かす ものがたり観光行動学会・「観光と宗教」シンポ(2)
ディスカッションは、佛教大学教授の高田公理さんが「観光の魅力と宗教の人をひきつける力は非常に似ている」と提起し始まった。
「神話なき時代だからこそツーリズムと」
編集者の江弘毅さんは、自身が深く携わる岸和田のだんじり祭りの構造も聖地と似通っているとし「神事、祭りがあって、一番外側に観光客がいる」。その時、祭りの参加者すべてが「暦と地図を共有する」ことが、だんじり祭りの磁力になっているという。これは観光情報とも共通な構造をしていると言える。
関西学院大教授の加藤晃規さんは、宗教都市としてのローマの成り立ちを解説。「反宗教改革によるまちづくり」が、複数の教会を巡礼するスタイルとなり、それが世界遺産登録につながった。ローマが観光都市として人を惹きつけて止まないのは、その宗教性にあるのではないかとした。
京都市に在住する漫画家のハンジリョウさんは、日常的に寺社に通う。「お寺は居酒屋に似ている。若い人に身近になってほしい」。地蔵盆の盛り上がりなど、京都の暮らしと密接な神仏を紹介した。
釈さんは「神話なき時代だからこそ、ツーリズムと結び付けられれば」。
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