関西の着地型の未来 日本観光振興協会・シンポ(1) 「時はきた」
日本観光振興協会は1月22日、大阪市北区の大阪大学中之島センターでシンポジウム「関西における着地型観光と地域づくりの未来」を開いた。関西各地の先進事例が紹介され、発展へのビジョンを考えた。
事例から学ぶ着地型方法論
観光地域づくりプラットフォーム推進機構と歴史街道推進協議会との共催。多くの観光関係者らが詰めかけ、関心の高さをうかがわせた。
同協会の見並陽一理事長はあいさつで、着地型観光の現状を論じ「まずは川上の地域が観光を変えていくべき。地域に誇りを持つ各産業が連携し、地域を磨くような方向へ」と展望を語った。
基調講演は清水愼一同機構会長が観光の現状を紹介。「プラットフォームと地域をまとめるマネージャーの両輪が機能して観光圏は動き出す」と国の施策の整備状況を評価し、「(地域観光を)推進すべき時がきた」と強調した。
関西での観光地域づくりの先進事例は、歴史街道推進協議会と4地域が発表。同協議会の井戸智樹さんは関西で歴史文化を生かした地域づくりに取り組んできたなかで気付いた課題を披露した。
交通事業者ありきのデスティネーション展開や面での振興も課題だが、「いろんなものがありすぎてわかりにくいのが関西」と素材の多さにも難しさを感じるという。自然豊かな北近畿・琵琶湖、都市・世界遺産の中央部、霊場と参詣道の紀伊方面という大きく3つのテーマで観光地の再編を考えているそうだ。
プラットフォームで推進すべき事業パターンにも言及。全体意思やノウハウの共有、役割分担や横串型の事業展開といった組織運営から、資金運用など実務面でも効果を発揮すべきと論じた。
→関西の着地型の未来 日本観光振興協会・シンポ(2) 信念・こつこつ・一点突破に続く