中核人材の役割、育成は― 近畿運輸局・観光地域づくりシンポ(1)
国土交通省近畿運輸局はこのほど、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で「近畿観光地域づくりシンポジウム」を開いた。自治体や観光事業者らが参加し、観光地域づくりでの中核人材の重要性を考えた。
「つなぐ・まとめる・よびこむ」
パネルディスカッションは、各地で地域づくりを主導する5氏をパネラーに、近畿運輸局の森宏之企画観光部長と大阪観光大学講師の内田彩さんを交え、地域の中核人材について議論した。
中核人材の役割を「つなぐ・まとめる・よびこむ」と表現したのが、滋賀県びわ湖・近江路観光圏のランドオペレーターである近江屋ツアーセンター所長の田渕正人さん。「縦割りやしがらみといった地域の課題を打破し、オペレーションなどの外部向け、地域連携の内部向けと内外の調整の如何が問われる」。
道東で着地型観光の地域体制づくりに取り組むひがし北海道観光事業開発協議会事務局長の野竹鉄蔵さんは、広域連携を職務とする自身の例から「場合によってはアメーバになること」。複数の観光協会の「標準化」について落としどころを見つけるには状況に応じた柔軟さが必要だが「答えはビジターがどう思っているか」であり、商品こそが成果だと論じる。
兵庫県有馬温泉の発展に力を注ぐ陶泉御所坊主人の金井啓修さんは、地域内では「観光に携わっていない人をどう関わらせるか。まちづくりでお金がかかることは皆の同意が必要」。兵庫県尼崎市の観光創出を担う地域環境計画研究所社長の若狭健作さんは「おもしろいことにどう共感できるか」。成功イベントをつくり、どう生かし、次々と目的をつくっていけるかがカギという。
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