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中核人材の役割、育成は― 近畿運輸局・観光地域づくりシンポ(2)

人材育成の面では、野竹さんは「若い人の方が地域への思いが強い」と指摘し、「観光に関係がなくても話をして入り込んでいけば熱い若者やおばちゃんは動いてくれる」と強調する。若狭さんも「皆がおもしろいと思える仕組みをつくること。身銭を切ってでもこのまちで機嫌よく過ごしたいと思う若い人は多い」。

「おもしろいと思える感覚はPCからは出てこない」

一方で田渕さんは「地方では若者が少ないので様々な世代や職業、よそ者を巻き込み、柔軟な体制をつくりたい。人件費を担保するなど中長期的にしないと若者は育たないのでは」と指摘する。

地域ブランドの磨き方も議題に。野竹さんは「客ごとに見える光は違い、見せたいものと見たいものは違う。着地型が成功しないのは客目線になりきれないからで、継続してブラッシュアップしてブランド化していくしかない」。若狭さんは「地元を誇れる材料をつくっていくべき。人の目に届いてこそ誇れる」、田渕さんも「地域への誇りを持ってもらうか、着地型については改善を繰り返し、持続可能なサイクルをつくる」と各氏の意見は共通した。

金井さんは、少し逸れると断りながら「おもしろいと思える感覚はPCからは出てこない」とPC偏重の風潮に疑問を唱えて旅の本質を語る。「旅は自分の勘でたどることでしか新しいものは得られない。若者からPCを取り上げる機会をつくらないと。クリエーターには特に」とまちの担い手への思いを語った。

基調講演も行った金井さんは、若い人材の創出について「外からまちを見る環境をつくることが大事」とし、農家や他地域とのタイアップや世界各国を眺めるなどして「新しい発想で新しいよいものをつくってほしい」と視野を広げる重要性を論じた。

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