間違いだらけのインバウンド-藻谷浩介さん講演(1) 将来見通し時代を読む
このほど開かれた神姫しらさぎ会の総会で、日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんが「間違いだらけのインバウンド―何を目指し何に取り組むのか」を演題に講演した。日本や諸外国の将来の人口動態を見通しながら将来へ向けて求められる観光戦略を語った。
「10年後には皆がやっているだろうと思われることを、どれだけ早くやり始めるか」
日本の地方・都市部、中国の5年後、10年後、人口の年齢バランスは激変する。日本では高齢者比率が大きくなり、中国では人口増が止まり年配が増え続ける。藻谷さんはこの予測を冷静に分析し、中国市場への対応策について「爆買いは5年で終わる。シニア向けリピーターへの対応が利益を生みます。日本人がたどったように量より質を求める旅が増えるので心に残るものは何かを考えるべき」。その何かは「生活文化を楽しむのがリピーターにつながれば日本の観光業は大きく発展します」と断言した。
アジアや北米を市場として見ても、やはりターゲットはシニア。「センスの高い日本人シニアに対応できる施設は、今後のこの流れに対応できます。当分食いっぱぐれがないでしょう」。冒頭の言葉がここにつながる。
→間違いだらけのインバウンド-藻谷浩介さん講演(2) ここでしかない「何か」に続く
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