間違いだらけのインバウンド-藻谷浩介さん講演(2) ここでしかない「何か」
また、営業不振の原因は旅行業界でよく言われる「景気」ではないと藻谷さんは断ずる。戦前生まれが現役を引退するとシニアツアーが活況するなど世代の動きで市場は大きく変動する。「15年後にはマイカー世代が減り、公共交通機関への依存が再び高まるはず。時代にあったやり方に変えていかないと成り立たないのは当然」。
では、藻谷さんが国内観光、インバウンド発展のため、地域にお金が落ちるために絶対必要と論じる「ここでしかない○○」とは何か。国宝、ジオパークと言っても客は来ない、やはり「客目線」でないと売れない。「入込客数は考えず売上を増やせ」「滞在場所を作れ」「宣伝はやめて顧客満足度調査を」を徹底することだと強調した。
「ここでしかない○○」は外国人は少し違う感覚ということも意識したい。普通の田んぼだったり住民との触れ合いだったり、その国にしかない「何か」が重要で、「日本にはこれがものすごく多い。これを世界のシニアに売り続ければ、日本の観光産業が衰えることはないでしょう。そういった外国人の視点に立つことこそが儲けにつながることに早く気付いてほしい」と訴えた。
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