日本船籍のカジュアルクルーズを 日本クルーズ&フェリー学会、神戸で18年度総会・講演会(2)
池田さんは「日本籍カジュアルクルーズ客船の実現に向けて」と題して問題提起。
世界ではクルーズ人口が2700万人に達し、経済波及効果もコンテナ船の20兆円に近づく14兆円に成長するクルーズ産業だが、日本籍の飛鳥Ⅱやにっぽん丸、ぱしふぃっくびいなす、ガンツウはいずれもクルーズ総人口の2%に過ぎないラグジュアリーマーケットをターゲットにしている。日本にカジュアルクルーズをもたらしたプリンセスクルーズの成功を受け、欧米船社が日本進出を目論んでおり、ボリュームゾーンのカジュアル船が外国籍船に占有されると、池田さんは危惧する。
池田さんがイメージする日本籍カジュアル船は5万トン級の客船。23年に1隻目、28年までに第2、第3船を建造するというもの。「1隻あたりの建造費は400億円で、旅行業界や海運業界など関連事業者によるファンド、乗船客からのクラウドファンディングで調達する」と具体的だ。
これに対し、大阪大学の赤井伸郎教授は「外国船社にも出資してもらう」「船内飲食を日本のレストランチェーンと組んでもいいのではないか」、梅田会長は「サービスの省力化、無人化を行い日本流クルーズにしてはどうか」などと話し、1泊あたり1万3千円からのカジュアルクルーズ実現を後押しした。
このあと、商船三井客船の山口直彦社長が今年相次いだ天災発生時の対応について、旅行業法に基づいた「にっぽん丸」の対応事例を紹介した。
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