農泊訪日旅行の可能性 農水省がセミナーを開催、外国人が地方の価値を発見(1)
農家民泊の推進に取り組む農林水産省は3月4日、農泊関係者を対象にしたセミナーを東京・銀座の時事通信ホールで開き、オンラインでも配信した。
国の農泊政策や農泊の手引きを解説したほか、「スローフードな人生!―イタリアの食卓から始まる」などの著書があるノンフィクション作家の島村菜津さんが、イタリアの農村観光について現地視察の様子を交えて紹介した。
また、農泊ポータルサイトを運営する百戦錬磨や、農泊ツアーを実施するクラブツーリズム担当者らによるパネルディスカッションで、農泊の魅力と可能性やコロナ後の旅行者志向の変化などを探った。
このなかで百戦錬磨の上山康博社長は「コロナ前に比べ、自然に関する興味が増していると感じます。世界的に注目されているアドベンチャーツーリズムの流れに、いよいよ農泊が乗ってきました。日本人が行かない地域でも、海外の人は、その地域に対するリスペクトと行きたいという意向を持っていて、一定期間の滞在や住みたいとも思っています。日本の地域の魅力を世界の人が感じて、例えば日本の田園風景は海外から魅力的に映ります。外国人が、私たち日本人に地方の新たな価値を再発見させてくれることに期待しています」と、インバウンド誘客の可能性を指摘した。
また、日本観光振興協会の杉野正弘・交流促進部門審議役も海外からの日本の農泊の魅力について「台湾の国際旅行博ITFで農泊のブースを出展しアンケートをしました。台湾からの訪日旅行者の80%はリピーターで、35%が農山漁村を訪れた経験がありました。また、4割の人が魅力的だからぜひ行ってみたいと回答し、農泊は台湾市場に対してポテンシャルがあると実感しています。農山漁村では、地域ならではの食を楽しみたい希望多く、郷土料理づくりなどのアクティビティや古民家ステイなど魅力あるプログラムづくりが大事だと考えています」と話し、受け入れ態勢の整備を求めた。
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