農泊訪日旅行の可能性 農水省がセミナーを開催、外国人が地方の価値を発見(2)
旅行商品として農泊を企画・販売しているクラブツーリズムの樋山智彦・地域共創事業部部長は「コロナ後は特に自然に触れる体験が人気です。少人数が好まれるなどのコロナの影響も感じます。クラツーではコロナ前から写真撮影ツアーの1つ、棚田撮影ツアーが人気でした。農泊で棚田撮影プランはありだと思います。農泊だからこそ得られる棚田撮影のタイミングもあるだろう。農家だからこその棚田についての知識や経験の引き出しがあると思います。旅行商品として開拓、開発の余地が大きいと感じます」などと話した。
日本旅行業協会の野浪健一・国内旅行推進部は価格について言及し「農泊も含め、日本の旅行関連コンテンツは安売りされ過ぎています。この状態が続くと再投資ができず、事業の持続性を保てません。目をつぶって価格を倍にしてはどうですか、と提案することがあります。価格アップと商品の品質アップの好循環を旅行業界全体で作っていきたい」と呼びかけた。
藤井大介・大田原ツーリズム社長は「日本の農泊は、個人旅行を取り込めていないところが課題です。ヨーロッパでは農泊は個人旅行の主流で、しかもイタリアのアグリツーリズモでは宿泊客の9割は外国人で、1週間程度滞在します。日本では二次交通の確保が課題とされますが、海外から来る人にとっては、行きたい場所が1千㌔離れていても、二次交通が整っていなくても構わない。農家にとっては彼らに1週間滞在してもらえば、チェックイン・アウトも週1回です。連泊は農家と相性がいいんです。今後目指すべき方向だと思います」とインバウンドと連泊需要への取り組みを提案した。
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