近場の観光素材クローズアップ トラベルニュースヒューマンネットワーク有志旅行会社、商品化や送客見据え研修(1)
ライバル=時代の変化を体感
トラベルニュース・ヒューマンネットワーク(THN)に参画する旅行会社有志10人が10月16日、研修ツアーを行った。大阪府松原市や和歌山市、奈良県香芝市で熱心に営業展開している施設を見学し、旅行商品化や送客を見据えた素材発掘に取り組んだ。
スタートは「おくさま印」のブランドでお米の卸・販売業として全国に知られる幸南食糧から。松原市にある、お米や全国の食材の企画・加工・販売を行うために新設された食品開発センターを視察した。
同センターは今年9月から稼働を始めたばかりで、日本に1台しかないMICVAC社の「マイクロ波加熱調理殺菌システム」を見学。わずかな時間で調理ができるレトルト食品の製造工程を見て回った。
幸南食糧の川西修会長のミニ講演では「当社が1971年に松原市で開業した当時、お米の卸・販売業は43社あり、当社は44社目だった。しかし現在残っているのは当社だけ。時代の変化に対応した結果だ」と強調した。「ライバルは競合他社ではなく、時代の変化である」と訴え、旅行会社が生き残るためには時代の変化を真っ先につかみ、先回りすることが大事だと話した。
同センターでは工場見学のほかレトルト食品の調理体験も可能で、参加した旅行会社からは商工会関連の視察ツアーにぜひ盛り込みたいといった声も聞かれた。
次いで訪れたのは、和歌山市・和歌浦にある「わかうら食堂」。和歌浦はかつて団体旅行客で賑わった観光地だが、今はその面影は見受けられない。そんななか昨年4月、料亭旅館だった「石泉閣」がお洒落なレストラン「わかうら食堂」としてリニューアルされ、若い女性客で賑わう。
わかうら食堂のレストランフロアがある2階はかつて4部屋の客室だったが、現在はワンフロアに改装、約80人を収容できる。一行が陣取った入口に最も近い席は、連合艦隊司令長官・山本五十六が泊まった客室があった場所だという。
食事はランチメニューで野菜と鯛しゃぶの小鍋や海老と野菜の天ぷら、しらすおろし、鯛めしおにぎりなど。このほかにも定食や団体食プランも用意している。
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