海の京都に移住した若者たち 未来のため、まちを元気に−KOKIN代表・大滝雄介さん(1)/短期連載シリーズ
ワーケーションや地方への移住に注目が集まる中、京都府北部の「海の京都」エリアの京都府福知山市・舞鶴市・綾部市・京丹後市で2020年度、109世帯206人が移住した。その数は過去最多で、背景としてコロナ禍が移住を促したとも考えられる。2012年から19年まで舞鶴観光協会で観光振興事業に従事した筆者自身、自宅のある大阪府枚方市と二地域居住を体験し、海の京都エリアでUターンやIターンで移住定住してきた若者と出会い刺激を受けてきた。(観光交流アドバイザー・釼菱英明)
Uターンで地域に根差した活動
日本海に面し、人口約7万8500人の舞鶴市。海上自衛隊や海上保安庁の基地、造船所、日本板硝子の工場など明治34年(1901年)以降の鎮守府の町である「東舞鶴」と、昨年の大河ドラマの主人公・明智光秀とともに描かれた細川藤孝(後の幽斎)が築いた400年以上の歴史のある城下町の「西舞鶴」に大別できる。
西舞鶴のまちなかにも空き家が増えたが「西舞鶴の未来のために、まちを元気にしたい」と活動しているのが、一般社団法人KOKINの代表であり大滝工務店の社長でもある大滝雄介さん(39歳)さんだ。
私が舞鶴観光協会で滞在プログラムを作ろうと市内を駆け巡っていた同時期に、西舞鶴の古民家改装に向けたワークショップをKOKINが実施していたので大滝さんたちの活動に参加したいと思ったのを覚えている。
大滝さんは、生まれ育った故郷を好きになれず、千葉大学への進学を機に舞鶴を離れた。卒業後は、そのまま東京でNTTデータに就職。何となく都会での将来が見えてきたころ、お父さんの体調が悪くなり、舞鶴に帰ることを決め、2007年にUターン。11年にKOKINを結成した。
KOKINは現在、古民家を改修した「さいかあん」「同2号」のゲストハウス2軒と「カフェFLAT+」を運営。ふるさと納税を手掛ける地域商社「合同会社HOUKO」を昨年共同で設立、ママさんたちの活動を支援する「team.m」などをけん引している。また「京都移住計画」と組んで移住希望者に田舎暮らしの相談にのっている。
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