海の京都に移住した若者たち 未来のため、まちを元気に−KOKIN代表・大滝雄介さん(2)/短期連載シリーズ
地域の課題から起業促す
一方、大滝工務店では「カンマ・ダイニング」と「カンマ・リビング」を立ち上げ、京都市にも進出するなど活動の舞台を拡大。地方都市の工務店が魅力的な中小企業を目指すことで、田舎暮らしを希望する若者の受け皿となるように志向している。公私とも地域に根差した活動を行い、発信をしていることで、徐々にその活動に惹かれ、応援したり、移住を希望する人が増えている。
大滝さんの取り組みは、移住と言えばリタイア後に田舎や故郷で農業を始める印象を持っていた私にとってずいぶん刺激的で、何より印象に残るのは「地域づくりにかける思い」。心ならずも田舎に帰り、会社を引き継ぎ、古くから仕事をしていた人たちとの葛藤は想像できない。笑いながら、会社もKOKINの活動もすべてが地域づくりにあると言い切る。
さきほど紹介したteam.mには現在43人のママさんたちが集まる。子育てが一段落して仕事をしたいが、いきなりは怖いからとリハビリを兼ねて参加したり、子育て中のママさんがそれぞれの可能な時間にデザインなどのスキルを活かした仕事をしている。ママたちの声を聞き、企業や行政から仕事を受注。まさに地域の課題から生まれた起業案件で、こうした活動を通して共感する輪が海の京都エリアや他府県に広がり、本業の仕事にもつながっている。
今後一番やりたいことは「後継者づくり」と大滝さん。事実、ローカルフラッグ代表の濱田佑太さんたちと起業家を育てる「海の京都ローカルベンチャースクール」を今年6月から開講。地元の起業志望者、2代目社長や大学生など24名が12月まで月1回学んでいる。
当面彼から目が離せない。KOKINのURLはhttps://kokin.online/。
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