旅行会社はパートナー 勝尾寺・小嶋副住職の考え(2) クーポン手数料で参拝者と向き合う
「一人でも多くの方に向き合いたい」 全旅、OATAと契約
勝尾寺の境内を歩くと常時お経が流れている。太鼓、木魚を交えて1日17回、住職が読経し、それを放送している。
「勝尾寺は先祖供養を大事にしています。現世の利益は果実。果実を得るためには土、根っこに養分が必要です。根とはルーツ、先祖がやせ細っていたら実らない。供養とは、養分を供えると書きます」
「ダルマは自己誓約書です。背中に目的、10年や20年後の遠くのものを書く。底に目標、目的を射抜くための標準を書きます。そして、ダルマの目に母印を押し、自分自身に誓うのです」
小嶋さんは、そんな話を参拝した一人ひとりに話したいと思っている。でも、個人参拝者に話すのは限界がある。「一人でも多くの方に向き合いたい。そのためには旅行会社の力をお借りしたい。特に、ダルマに誓ったことを実現できる子どもを育みたい。修学旅行を含めて、団体だからこそできることのお力添えを旅行会社の皆様にお願いしたいのです」。

勝運を祈願し、数多くの達磨が奉納されている境内(一部)
旅行会社はパートナー。1300年続く勝尾寺を守っていかなければならない。境内の修復、文化財としての価値の維持、そして仏様を大切につなぐために。「勝尾寺に拝観してくれる人を導いてくれるのです。しかも自社の経費を使って。もっとお支払いしてもいい。延べ人数やお土産の売上に貢献していただいた旅行会社には増率も考えています。これから1千年後に隆文が寺を復興したというのにロマンを感じています」と笑う。
123代目の住職に就く小嶋さんは、未来を見据えて旅行会社とタッグを組む。
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【勝尾寺】 大阪府箕面市勝尾寺、電話072−721−7010。8万坪の境内には宿坊も備える。仕出しによる料理の手配も可能。拝観料(入山料)は個人大人400円。団体の参拝は前日17時までに申し込み、拝観料合計額から業務手数料20%を差し引いた金額を当日現金にて支払う。バスの駐車は8台まで可能(先着順、駐車利用時間は最大2時間)。満車時でも乗降車は可。
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