海の京都に移住した若者たち 地方から世界につながる−Tabel代表・ハミルトン純子さん(1)/短期連載シリーズ
コロナ禍で人の移動が止められて気づいた「つながり」。旅行と物販の連動で地域のファンづくりがいま求められている。「ふるさと納税」を扱う地域商社HOUKOが舞鶴で活動しているが、海の京都各地でもその設立を強く勧めている。人材はいないのではなく、地方でスタートアップし、地方にいながら世界を目指す若者が生まれるよう後押ししたい。第2回で紹介した工忠さん(21年11月25日号掲載)もだが、今回紹介するハミルトン純子さんも当たり前に英語を話す。こんな人材を人材不足の地方で利用しない手はない。(観光交流アドバイザー・釼菱英明)
料理通して地域活性化に挑戦
ハミルトン純子さんは京都市に生まれ育ち、京都市内でアイルランド人の夫と暮らし、料理研究家として活動していた。08年にはアイルランドに移住。現地で日本料理や長年の経験を活かして味噌づくりなどを教えていたそうだ。
14年に帰国し、居を構えたのは父親の生家がある京丹後市大宮町。子どものころから幾度となく訪れ、いつかは住みたいと思っていたところで、海あり、山あり、上質の食材があり、面白い人も多く、自然が好きで食を生業にしている彼女には最高の土地。
それを体現するように丹後で精力的に活動している。15年には丹後をプロモートする「ALL Tango」に食部門担当として加わり、筆者が彼女の名前を知ったのもちょうどそのころ。自然耕房「あおき」のスペースを借りて料理教室を始め、その後も食のイベントを多数開いていると聞いていた。
そして18年には京都産業21「きょうと元気な地域づくりファンド」に採択され、地域をベースとして食による地域活性を目指す会社「Tabel」の代表としてキッチンスタジオtabel table(タベルテーブル)を開設。世界中が発酵ブームの今、外国人向けのワークショップや食のツアーを企画・運営も手掛けた。
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