海の京都に移住した若者たち 地方から世界につながる−Tabel代表・ハミルトン純子さん(2)/短期連載シリーズ
地域の食とアイルランド料理を融合
21年4月5日にはtabel tableの敷地内に、sanablendが運営するゲストハウス「base sanablend(ベースサナブレンド)」がオープン。古民家の暮らしの歴史を感じられる柱や空間を残しているのが特徴で、広い土間は外からの旅人と地元住民が交流できるようになっている。純子さんはアイルランド朝食などに腕をふるい、ゲストハウスの楽しみの一つを提供している。
ご主人のダンカンさんはコロナ禍によって、京都市に行くことができなくなり、近くの農事組合法人楽農くらがきで去年から農作業を始めた。朝早く出かけ昼食後またでかける生活に一変している。奥大野に移住し人出の足りない祭りにも加わり、どうやらかなり馴染んでいる。
彼女自身もコロナ禍にあっても、海の京都DMOの依頼でフランスなどの旅行会社や料理メディアのオンライン取材に対応したり、一度来たことのあるデンマークの料理教室からまた丹後に来たいと予約が入ったり、外国人の訪日への期待も寄せられている。
さらに、これまでの外国人対応や地元向けの料理教室だけでなく、新たな仕事にも取り組む。京丹後を中心に8軒の宿を展開する佳松苑グループが始めた料理人を育成する「アウルキッチンアカデミー」の料理講師や、丹後の商材のプロデュースにも挑戦。アフターコロナに向けて訪日観光客の受け入れだけでなく、地域での仕事の幅が広がり始めていることを彼女の話から実感した。
tabel tableのURLはhttps://kurashitabi.kyoto/experience/497
【京丹後市】 兵庫県に隣接し、推計人口は5万503人(21年5月1日現在)。04年4月に丹後6町(中郡峰山町・大宮町、竹野郡網野町・丹後町・弥栄町、熊野郡久美浜町)が合併している。丹後半島の海岸や内陸部を包含しており、夕日が浦温泉や間人(たいざ)ガニで知られ、創業300年を超える絹織物「丹後ちりめん」の産地でもある。

間人海岸から望む冬の日本海
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