里山の暮らしを感じるまち―移住定住促す 鳥取県智頭町(2)
豊かな子育ての場 「杉のまち」の魅力も
移住に際して気になるのは就業とともに子育て。智頭町で注目されているのは「森のようちえん」で、町内14カ所の森をフィールドとして自然の中で過ごすというもの。森林を活用し大人も子どもも育ちあう豊かな子育ての場として移住者に人気がある。

豊かな森で育つ子どもたち
「日本で最も美しい村」連合にも加盟する田舎暮らしを垣間見ることができるのが、茅葺き屋根の「山里料理 みたき園」。古民家の周囲は森や川、滝があり、智頭町の豊かさを感じられるショーケースのような空間だ。森の恵みをそのまま生かした山菜料理や昔ながらの手法で作った郷土料理を味わえる。

智頭町の暮らしを垣間見られる「みたき園」
まちの魅力もいくつか紹介しておこう。鳥取県最大の宿場町であり、往時を偲ばせる町屋の建物や道標が今も残る「智頭宿」。なかでも「石谷家住宅」は、3千坪ある広大な敷地に部屋数が40以上ある邸宅。7棟の蔵と日本庭園も備える。江戸時代後期の大庄屋であった石谷家の住宅で、現在の建物は対症年から昭和初期にかけて改築された。国の重要文化財に指定されている。

智頭宿を代表する豪邸「石谷家住宅」
杉のまちならではの「杉神社」は、杉を模した三角形の塔がご神体で、スギの霊を祀った全国でも珍しい神社。
「日本の里100選」にも選ばれた「新田集落」は、人形浄瑠璃の伝承が残る集落だ。山間に開けた里山の風景は、訪れた人に「古きなつかしい日本」を感じさせる場所として人気が高い。

新田集落の棚田。
里山の景観は町の至るところに
智頭町には、脈々と受け継がれてきた“暮らし”がある。新しい取り組みと暮らしが融合しているまちを一度訪れて暮らしを体験してみることを勧める。
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