タイ観光は完全に再開 旅行商談会「TTM+2022」開催(1) 22―23年キャンペーン「Amazing New Chapters」を展開
TAT(タイ国政府観光庁)が主催するタイ最大のBtoB旅行商談会「TTM+2022」(タイランド・トラベルマート・プラス2022)が6月8―10日の3日間、タイのリゾート地、プーケットで開かれた。コロナ禍によりTTM+の開催は前回、2019年のパタヤ大会以来3年ぶり。式典にはピパット観光・スポーツ大臣をはじめタイ観光関係者が集い、世界のバイヤーやメディアに向け、タイの国際観光の再開をアピールするとともに、19年の実績4千万人に対し、22年中に700万人から1千万人の国際旅行者の受け入れを目指すとする意欲的な目標を披露した。 (取材協力・タイ国政府観光庁大阪事務所)
歓迎の準備万端と強調
プーケットはタイ南部のアンダマン海に面する島で、ビーチの数々を中心に世界有数のリゾートとして知られている。そしてコロナ禍にあってタイで最も早くから国際旅行者を受け入れたのはプーケットだった。
TATは21年7月にプーケットで「サンドボックス」と呼ぶ国際旅行者受け入れプロジェクトを開始した。島民のワクチン接種を急ぎ、ホテルや観光施設、公共施設の感染防止対策を進め、「SHA」(健康安全基準)の取得を徹底した上で、国際旅行者の受け入れを開始した。到着後の隔離など当初は行動制限も多かったが、ヨーロッパを中心にいち早く国境を開放した国々からの旅行者に歓迎された。
その後、サンドボックスはバンコクをはじめ主要な観光地域に広がった。22年に入ってからは、特にオミクロン株の感染が落ち着いて以降、タイでは水際対策が段階的に緩和され、6月1日からはワクチン接種証明と旅行保険加入(治療補償1万USドル以上)を必須とするタイランドパスの登録で入国が可能になっていた。
このタイランドパスについてもTATは最近、7月1日以降の廃止を発表した。7月1日以降はワクチン接種証明書か入国前72時間の陰性証明の提示のみとなり、パスポート提示など通常の入国手続きにさらに近づくことになる。
TTM+の会場となったのは、かつてのスズの採掘場が広大なラグーンとなり高級ホテルやゴルフ場が集まるラグーナ・プーケットエリアの「アンサナ ラグーナ プーケット」。6月8日のオープニングセレモニーに続き、タイ国内から264のセラー、世界42カ国・地域から277のバイヤー、日本を含む国内外から約100のメディアが参加した商談会や観光セミナーが開かれた。
式典でTATのユタサック・スパソーン総裁は「タイのツーリズムの完全な再開を祝いたいと思います。コロナ禍を経て、アメージング・タイランドの新たな章『Amazing New Chapters』の始まりです。世界中からタイを訪れる旅行者に感動を与える準備はできています」と国際観光の再開と22―23年のキャンペーン「Amazing New Chapters」の開始を宣言した。
新たに始まった章で目指すのは、パンデミックを経験し、タイ観光が長期的に競争力を持ち続けるための経済、社会、環境とのバランスが取れた持続可能性な観光の追求と、タイの多様で豊かな文化を背景とした豊富な観光資源とサービスにより、訪れた旅行者の経験や喜びをより豊かなものにすること。
タイが世界で一番リモートワーカーにフレンドリーな目的地であることや、ヘルス&ウェルネスな滞在、APECやMotoGPをはじめとした国際イベントのホスト国としての役割も果たしていく。
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