タイ観光は完全に再開 旅行商談会「TTM+2022」開催(2) 世界42カ国から277のバイヤー参加、訪タイ旅行復活アピール
日本は前回より増え10社 タイの現地情報に高い関心
ホテルや観光施設などタイ国内から264のセラーと、世界42カ国から旅行会社など277のバイヤーが参加した商談会は6月9、10日の2日間行われた。
最大マーケットの中国の企業がすべてオンライン参加となったこともあり、前回開催の19年に比べセラーは370から、バイヤーは338から、それぞれ数を減らした。しかし、今回参加したセラーの39%、バイヤーの45%が初参加という顔ぶれからは、コロナ禍を経てのタイ観光の変化と新たな期待がうかがえた。
コロナ前の19年のタイへの国際観光客は約4千万人で、初めて1千万人を超えた中国を筆頭にマレーシア、インド、韓国、ラオスがトップ5で、日本は180万人で6番目だった。かつて、長らくマレーシアに次いで訪タイ国2位を保っていた日本だが、この10年で台頭した中国には大きく水を開けられ、海外旅行意欲旺盛の韓国にも抜かされている。
こうした勢いの違いや、日本からタイへの旅行商品づくりやアテンドが現地ランドオペレーター中心になっていることもあり、これまで日本からTTM+商談会への参加バイヤーは少なく、前回は最多の中国65社に対し、日本からは6社にとどまっていた。
ただ、今年は変化が見られた。3年ぶりの海外旅行本格再開を目前にし、日本からは10社が商談会に参加した。参加の目的は海外旅行が蒸発した2年間の現地情報の収集と、まだ残る水際対策のなか実際に出国から帰国までの手続きがどうなっているかを自ら経験することにあるようだった。
福岡市から参加したBtoB専門の旅行会社は「出入国や帰国の流れを確かめたかった。現地のランドオペレーターからも直接意見を聞くいい機会になると参加しました。取引先の地元旅行会社に的確に情報提供をしたい」。
7月16日に福岡−バンコク線にタイ・ベトジェットが就航することもタイ旅行再開の追い風と捉えている。
「8月にはタイ旅行が軌道に乗ることに期待しています。日本政府には帰国72時間前の陰性証明提示を撤廃してほしい」と要望した。
大手旅行会社から参加した担当者は「富裕層シニアに向けた旅行商品づくりのための情報収集です。ツアー後に生活が変わるようなインパクトのある商品を考えています。ラグジュアリーホテルを中心に2日間で30のセラーと会います」と話した。
タイ旅行中に旅行者が感染した場合の対応については「安心して海外旅行に参加していただけるよう、危機管理の専門会社と提携しています。検査や受診、隔離、日程の変更など、しっかりとサポートします」と話し、海外旅行再開への不安払しょくに努めている。
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