兵庫県尼崎市“尼ロック” 運河クルーズを売り出す(1) 万博に向けアトラクション化
国内外から誘客できるプログラムに
兵庫県尼崎市のあまがさき観光局が「尼崎運河」の観光アトラクション化に取り組んでいる。尼ロック(尼崎ロック・ゲート)という日本で最初のパナマ運河方式の閘門が見どころで、その水位調整の様子を小型船で体験するクルーズだ。大阪・関西万博に向けて兵庫県が認定する「ひょうごフィールドパビリオン」のプレミアムプログラムにも選ばれおり、国内外から誘客できるアトラクション化を目指している。
その実証実験が10月上旬に行われた。あまがさき観光局から委託された日本旅行メディア・アライアンス・トラベル営業部が大阪府や兵庫県内の旅行会社を招きモニターツアーを実施。運河クルーズをメーンに魚釣り体験、尼崎城見学などを組み込んだ。
クルーズでは、普段は渡船として使われている小型船を使用。渡船職員がサファリスタイルのコスチュームでガイドし“探検クルーズ”の雰囲気を演出した。尼ロックについては、かつて臨海部に工場が建ち並び地下水の汲み上げによって地盤が低下、海抜ゼロメートル地帯の治水・高潮対策と船舶利用を両立させるため昭和30年に建設されたことなどを説明。実際に閘門では前後の扉が閉められ水位調整を体験し運河から外海に出た。参加した旅行会社からは「インフラツーリズムと童心に帰ったような探検心を駆り立てられる内容」などと好評だった。
武庫川一文字と呼ばれる大阪湾の防波堤に着岸し、サビキ釣りを体験。30分ほどでアジが60匹あまり釣れた。一文字の防波堤からは大阪・関西万博会場の夢洲がすぐ近くに見え「商機になるのではないか」と話す参加者も。
このあと尼崎市立魚つり公園でバーベキューを楽しんだほか、さきほど釣ったアジもフライにして食べた。魚釣り公園は来春全面改装オープンの予定で、尼崎ベイエリアの観光拠点化が期待されている。
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