花巻の宝を「通い神楽」で継承(4) ユネスコ無形文化遺産「大償神楽」
500年以上前から伝わる民俗芸能
大償(おおつぐない)神楽は、岩手県花巻市大迫町の大償地区に伝承する神楽で、集落内の大償神社の例祭に奉納されている。早池峰神社の奉納神楽である岳(たけ)神楽と同じ起源を持つと言われ、二つを総称して「早池峰神楽」と呼ばれている。
早池峰神楽の伝承由来は、残された伝授書などから、500年以上の伝統を持つ古い神楽と言われている。早池峰山を霊場とする山伏が代々舞い継ぎ、祈祷の型などを神楽の中に取り入れていることから「山伏神楽」とも呼ばれている。岳と大償は「表裏一体」の兄弟神楽と言われ、大償の山神面は口を開けた「ア」、岳の面が口を閉じた「ウン」の型をしている。
早池峰神楽は、舞の中に「能」大成以前の古い民間芸能の要素を残すことから、中世芸能の香りを伝える稀有な神楽として、1976年には国の重要無形民俗文化遺産、2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている。
大償神楽の演目は40番以上から成り立ち、最後には必ず「権現舞」を舞う。
公演は、大償神社例大祭(9月)、舞納め(12月)、舞初め(1月)などで鑑賞できる。
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