「どっぷり高知旅」―四万十に浸る時間(1) 4カ年のキャンペーンでいなか暮らし観光を提案
高知県が県を挙げて2024年度から展開している観光キャンペーン「どっぷり高知旅」。「極上の田舎。高知。」をコンセプトに、高知県ならではの魅力、地域の人々との交流を多彩な企画に落とし込み、4カ年をかけて「滞在してこそ楽しい高知」の旅の楽しさを伝えていく。そのなかで存在感を発揮しているのが四万十市。観光協会を中心に地域を深掘りし、風土を深く楽しめる企画の商品化に成功。滞在力の強化を図り、「どっぷり―」を具現化した存在へと取り組みを進めている。
じっくりと商品を深掘り
高知県の観光キャンペーン「どっぷり高知旅」。自然豊かな高知で地域の伝統や文化を学びながら体感し、地域の人々と触れ合う旅の喜びを“いなか暮らし”の観光として提案。4年かけてじっくりと商品を深掘りし、県内を周遊しながら“どっぷり”と高知県に浸る旅のスタイルを構築する。オーバーツーリズムが各地で課題とされるなか、「いなか旅」ならではの静かな癒しの旅を呼びかけていく。
県内の観光関係者は「求めるレベル、ハードルの高いキャンペーンですが、高知県観光が次の段階に達してきたのだと考えています。1年で結果の出るものではなく、4年後には本物の観光を提案できる高知県観光を実現し、高付加価値のインバウンド対応もできる県になっているはずです」と力を込める。
キャンペーンでは県外観光客の宿泊者数が22年より130万人以上多い563万9千人、消費額は400億円多い1389億円を目標に設定。各地の風土を色濃く反映させた体験プログラムなど観光商品をそろえ、滞在客数を増加させ、観光消費額を向上させる。
今年春から放送が始まるNHKドラマ「あんぱん」を生かした観光振興策とも連動。舞台となる物部川エリアで観光博覧会を開き、県内全域へ効果を波及させる。26年度には「国民文化祭」の開催地にもなるなど大きな話題との相乗効果をねらう。各地で拠点施設を中心としたガイドツアーや食の提供など地域一体となった周遊の仕組みづくりやガイド機能・体制の整備などに取り組み、滞在力の強化を図る。
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