価値創造の場づくり-岡武公士さん(ベストリザーブ会長兼CEO)(1)
日本のOTA(オンライントラベル・エージェント)を草創期からけん引してきた岡武公士さんが今年7月、ベストリザーブ代表取締役会長兼CEOに就いた。「ホテルの窓口」「旅の窓口」「楽天トラベル」のトップとして観光業界に新たな潮流を生み、今また「地域、旅館ホテル、旅行を盛り上げるための新たな価値を提供する場を創る」と意気込む。岡武さんが目指す場づくりを聞いた。
世界一のOTA目指す
―OTAガリバーの楽天トラベルから、ベストリザーブへの転身は話題性があります。
最終的な夢は実現していませんが、インターネットでは日本1位になり楽天トラベルといういい会社を作れ、仲間もできました。私の人生に非常にプラスになっていますし、地域や施設の皆さんに純粋に恩返しをしたいと思っていました。
実はいろいろと誘われましたが、雇われることに興味はありませんでした。上場している企業は当然利益を追い求めないといけないし、我々も利益を求めるのですが、純粋に施設、地域と向き合いたかったからです。ベストリザーブのオーナーという話がなければ、一から自分で作っていたでしょうね。
―まだまだやり残したことがある、と。
私の夢はインターネット旅行会社として日本一、世界一になることです。
実は世界最大手のOTAエクスペディアは、カリフォルニアのディズニーランドやハワイなどリゾートの予約の6割はコールセンターが占めています。インターネットが普及するアメリカでコールセンターが利用されているのはランドの手配があったりするからです。だから、エクスペディアはハワイにサロンみたいなツアーデスクも作っています。ツアーデスクがいいかどうかは別にして、そこをコーディネートしたい。それはインターネットだけではできないことです。
インバウンドもそうです。すべてインターネットの予約に変わるということはなく、中国は中国人が、オーストラリアはオーストラリア人がコーディネートしているんです。逆に、ランドできる人たちをコーディネートするように持っていきたいと思っています。
→価値創造の場づくり-岡武公士さん(ベストリザーブ会長兼CEO)(2)に続く