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JTB「地恵のたび」で交流促す(3) 情報流通で営業環境づくり

商品ラインナップが増えたことで、2年目以降は右肩上がりで増えていく。11年度には14地域で2300人を取り扱った。コース数が増えたことと同時に、吉田さんは「情報流通」が販売拡大のカギになったという。「例えは悪いかもしれませんが、新しいもん好きの営業マンが動き出したんですね。他社にはない取り組みですので、提案としては面白いでしょう」。

発地での情報が着地の販売に

「だけど...」と吉田さん。テーマパークや唯一無二の景観を売るのとは違い、実際に行って体験してみないと良さが伝わらないのが「地恵のたび」だ。地域の情報をJTBがどうキャッチし、第一戦の営業マンにどう伝え、営業マンがお客さんにどうセールストークできるのか。そこが「地恵のたび」販促のポイントだった。

そこで営業ツールを充実させた。実際に参加したお客のアンケート、行程作成に役立つ細かいマニュアル、そしてビジュアルも重視。「るるぶ」特別編集として冊子も作成した。「今までの旅行とは違うので、営業マンもなかなか説明しきれないと思うんです。我々が定期的にセミナーを開催したり、社員研修で『地恵のたび』を体験してもらったりもしています。社内のイントラネットでは、『地恵のたび』を受注した営業マンの成功事例を流すこともしています」。

こうして社内に情報を流通させることで、営業マンが法人など団体に勧めやすい環境を構築していった。発地での情報が、着地の販売につながっていったわけだ。

12年度から全国展開になった「地恵のたび」は1万人を超えた。「どうやって売ろうか」と吉田さんが悩んでいたころから、わずか4年間での大台。その間、ツアーオブザイヤー2011の国内旅行グランプリも受賞した。

吉田さんは「『地恵のたび』は旅行のひとつのコンテンツに過ぎません。だけど、地域内ではそれまで点であったものがつながっていき、社内でもネットワークで情報がどんどん流通していく。その結果が、人の交流を生んでいるんでしょう」。

47都道府県で「地恵のたび」を設定し、15年度までに3万人の交流人口創出を目指すという。

JTB「地恵のたび」で交流促す(1) 団体向け企画商品で市場流通に戻る

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