小学生が観光プラン
「このままでは大好きな村が元気のない村になってしまう。なんとかして活気のある元気な村にしよう」
徳島県三好市西祖谷山村の檪生(いちう)小学校の児童29人は、「観光客にたくさん来てもらい、泊まってもらったり、土産物を買ってもらったりすれば村に活気が出てくるのではないか」と考えた。
子どもたちは、徳島県でも有名な「かずら橋」には年間30万人も観光客が来るのに、なぜ観光という産業まで元気がないのかと疑問に思って観光客に直接インタビュー。答えはほとんどの人が橋を渡るとすぐ他の観光地に行ってしまうということだった。
「泊まって土産物を買ってもらわないと儲からないし、働く場所も増えない」という結論に達した子どもたちは、独自に地域内を調べて回り「西祖谷山村パワーアップ大作戦」と称する観光プランを俵徹太郎市長に提出した。宿泊して地域のいろいろなところを見てもらうという企画は、徳島県西部総合県民局が近々開く「地域資源発信フォーラム」で子どもたち自らが観光プランを発表する運びとなった。
観光産業は宿泊、運輸、飲食などのほか他産業の需要や雇用創出効果があり、地域活性化に大きく貢献できる産業だ。子どもたちが観光に目を向けた視点はすごいが、観光産業が元気になれば村が活気付くという発想は、おそらく日常の中で親から聞いていたに違いなく、西祖谷山村のなかでは産業と雇用が観光といかに密接な関係であるかがわかる。子どもたちの努力が報われることを願ってやまない。
(トラベルニュースat 08年5月10日号)