町の電気屋さんの挑戦
町の電気屋は、かつて全国に5万軒あったが、現在では3万軒を切ると言われるほど苦戦を強いられている。大型家電量販店の「安くて豊富な品ぞろえ」の攻勢がその要因だが、本来、町の電気店は販売だけでなく配送や修理、取り扱いの説明など小回りの利くサービスが売り物だった。
しかし単一メーカーで品ぞろえもよくなく、製品の料金も高いといった理由などから量販店に駆逐されていったのが、町の電気屋の実態だ。そういった悩みを抱えていた大阪の町の電気屋が家電小売店のフランチャイズチェーン本部を立ち上げた。
「豊富な品ぞろえ、全メーカーの取扱い、価格が安い」といった大型量販店の長所に加えて、地域電気店の「すぐに伺う、高い修理技術、小回りが利く」の長所を売り物にして10年間で100店以上の電気店が加入し、2008年7月末現在で515店舗と急速に伸び、180億円の年商をあげている。この取り組みはテレビ東京系の日経スペシャル「ガイアの夜明け」で「巨像に立ち向かえ」というタイトルで取り上げていた。
番組では「もう廃業しかない」と敗北宣言をしていた電気店の店主が、このチェーンに入ることで利益とやる気を取り戻していく姿を映し出し、小さくても結束すれば大手に対抗できることを訴えていた。
旅行業界や旅館業界には様々な団体があるが、力を集約させているだろうか。特に旅行業界の組織は会員数と同じ数の考え方があると言われる。これでは今の時代を勝ち残ることはできない。
(トラベルニュースat 08年9月10日号)