健康があっての仕事
今年に入って親しくさせていただいている旅行会社や旅館の経営者が、脳梗塞や脳血栓で倒れられている。旅行会社の経営者は年配の方が多いが、旅館経営者はそうではない。青年部に所属している45歳までの年齢だ。
仕事がら不規則な生活、夜遅くの飲食など健康によくないことばかりを続けているから、それだけに健康面には人一倍気をつけていただきたいものだ。
ある親しい旅館経営者とは、いろんな会合で会うたびに身体を気遣ったいたわりの言葉を掛け合っているものの、会うたびに公職の肩書きが増え、今では40数個にまでなってしまっている。「もう少し減らせばいいのに」とご本人に直接申しあげたりもするが、この人の人柄や仕事ぶり、旅館の格を考えると引き受けざるを得ないこともよくわかる。
先日もある会合で「また肩書きが増えたんじゃないでしょうね。身体あっての商売ですよ」とお話しすると「あなたの言っていることはわからなくもないが、身体が大事だからといって、今の最前線から引いて経営がうまくいくとは思えない。身体をいたわって旅館が潰れてしまうわけにはいかない。もし、倒れてもそれは天命だと割り切っていますよ」と、仕事に対する覚悟を知った。
それでも「家族のこともあるじゃないですか」と聞き入ると「家族には申し訳ないが、倒れたら、そのときのことです。それまでは働きますよ」ということだった。
覚悟はわかる。しかし、それでもさらに言いたい。「健康管理だけはしましょう。そして仕事に頑張りましょう」と。
(トラベルニュースat 08年10月25日号)