観光地のライバルは?
この新聞が読者の皆様のところへ届いているころには、ゴールデンウイーク期間中、観光地にどれだけ客が訪れたかはっきりしていることだろう。ETC(自動料金収受システム)を搭載した車がサービスエリアなどで大混雑したかどうかも結果は出ている。
もちろん、恩恵を被るところとそうでないところが出てくるには違いないが、どちらかといえば追い風が吹いているような雰囲気を感じない。最近は東京や大阪をはじめとする都心部で開かれているイベントやアトラクションを楽しむ方へと興味が移っている傾向にあるようだ。
わざわざ温泉地へ行かなくても、近くにいくらでも日帰り入浴施設があり、安くて手ごろな飲食も味わえる。観光地や温泉地へ行かなくても充分、楽しめる。若い人たちにとっては、都心部で遊ぶことが「旅」に出るのと同じ感覚なっているといえなくもない。
それだけ温泉地や観光地は刺激的でなくなっているわけだが、現実問題として都市部の真似ごと、二番煎じなことばかりしてきたツケがまわってきているといえば、言い過ぎになるだろうか。今年のゴールデンウイークの動きを見て、わが地域の原点は何かということをもう一度見つめ直すきっかけにしてみるのもいいかもしれない。
(トラベルニュースat 09年5月10日号)