今だからできること
震災、バブル崩壊、温泉問題、世界的恐慌、そして新型インフルエンザ...。次から次へ降りかかってくる災難を"厄除け"しようと5月24―26日、兵庫県の有馬温泉がイベントを実施する。
題して「有馬温泉厄除け 元気アップ クリーンアップ大作戦」。観光協会はじめ観光事業者、自治会、婦人会、老人会など有馬の人たちが総出で、温泉街をきれいに掃除するという。
現在の状況で「有馬温泉にお越しください」とは言いづらい。今後も全国に感染が広まり、すぐに好転するとは予想しづらい。それなら「今度お越しいただく時は、きれいな有馬温泉にして喜んでいただけるよう準備しよう」。有馬の人たちは元気に、美しいまちづくりをしていますよ、とのメッセージも発信しようというわけだ。
ある旅館経営者は「開店休業状態で人がいないことを嘆くよりも、人がいない時に何ができるかを考えた」。また別の経営者は「どうせなら、観光・温泉地の危機管理のモデルを作ろう」と。
阪神大震災など幾度となく修羅場をくぐり抜けた底力だ、とひと言で済ませてはいけないのかもしれない。しかし、その心意気は、有馬の人たちだけでなく広く伝わるだろうし、伝わってほしいと思う。
(トラベルニュースat 09年5月25日号)