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商売は「正直」が原点

09/06/10

先日、久しぶりに福岡で旅館や地元農家のタイアップで運営する複合リゾート「ぶどうの樹」を運営するグラノ21Kの小役丸秀一さんの話を聞いた。小役丸さんは父親から引き継いだ旅館業を皮切りに、地元の野菜や魚介を活かした地産地消レストランを展開。年間25万人の来店を誇っている。

レストランでは地場の食材を少しでも多く客に提供できるようビュッフェ形式にしているが、「献立ありき」ではなく「食材ありき」でメニューを考えているのがミソ。また生産農家や社員、料理長と3カ月に一度試食会を行い、人気上位3分の1がメニューに載り、料理長の料理がボツになることもあるという。この職場における"差別の壁"を越えた関係ができあがっているところに人気の秘訣があるといっていい。

また小役丸さんは「1次、2次、3次産業を足しても掛けても6次産業」になるとの考えを持ち、地域に来たお客は地域全体で出迎えるという風土をつくれば、地域全体が発展すると強調する。旅館業が、この枠組みの中に入っていけばこれまでとは違った形で存在意義が出るのではないか、との主張には賛成だ。

そして商売で最も大事な点について「お客様に嘘をつかないこと」。やはり「正直」が原点にないと前には進まない。

(トラベルニュースat 09年6月10日号)

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